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車両点検

トラックの空気圧点検やってる?測り方や意外と知らない注意点!

こんにちは!プロキオンです!

今回は法律で義務付けられている運行前点検の「トラックの空気圧点検」について解説をしていきたいと思います!

「きちんとタイヤの点検やりましょう!」と言われるものの、実際に実施している人は少ないのが現状だと思います!

また、運送業に勤めているとトラックの運転や荷物の取り扱いに関する事は会社の先輩方が教えて下さるかもしれませんが、トラックの運転や荷物の配送がメインであるため、車両の点検や整備の事まで熟知している人は少ないと思います!

基本的に点検方法や調整方法などは乗用車とも同じなので、トラックに限らず乗用車の点検時にも役立つかと思います!

プロフィールにもあるように、トラックドライバーの経験だけでなく、自動車整備士のスキルやモータースポーツのノウハウも兼ね揃えいる僕がタイヤの空気圧について解説していきたいと思います!

 

タイヤの点検はドライバーの義務?

車両の点検はドライバーの義務

タイヤの点検に限った事ではないですが、車両の点検整備はドライバーの義務であります!

車両の点検整備って、車屋さんに車検・法定点検に出したときに見てもらうものじゃないの?
車屋さんとかガソリンスタンドの定員さんに点検してもらったから自分でやらなくても大丈夫でしょ?
プライベートで乗っている自分の車は関係ないでしょ?

このように思っている人は多いかと思います!

日本では「車検」という制度があり日頃から点検・整備をし、保安基準に適合した状態を保たなければなりません!

この保安基準に適合しない状態の車は「整備不良車」という扱いになり、公道を走らせてはいけないとされています!

この「点検・整備」ですが、今の日本では自動車整備士の資格を持ったプロの整備士に依頼し、全てを任せてしまうのが主流となっていています!

それ故に、車の使用者は点検・整備を行わなくて良いと勘違いをしていたり、何かトラブルがあった場合は全て点検・整備を依頼した自動車整備士の責任になると思い込んでいる人が多いです!

また、海外では各自動車メーカーが車の情報を公開する事が義務になっているのに対し、日本では情報の公開が義務になってはいません!

そのため各自動車メーカーは企業秘密とし、なるべく詳細を一般公開しないようにし、自社以外の人間が容易に修理できないようになってしまっているのです!

しかし本来、点検・整備は使用者が行うものですし、例え依頼した車屋さんに「○○キロ又は○○年保証」というような保証制度があったとしても、使用者が点検・整備を免除されるわけではありません!

また、自動車整備士の資格が無いと点検・整備を行ってはいけないと思っている人も多いですが、基本的に自分の車を点検・整備する場合は自動車整備士の資格が無くても法的には問題ありません!

道路運送車両法

以下のように道路運送車両法でドライバーの方も点検・整備を行わなければならないとされています!

道路運送車両法

(日常点検整備)
第47条の2 自動車の使用者は、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。

2 次条第一項第一号及び第二号に掲げる自動車の使用者又はこれらの自動車を運行する者は、前項の規定にかかわらず、一日一回、その運行の開始前において、同項の規定による点検をしなければならない。

3 自動車の使用者は、前二項の規定による点検の結果、当該自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるときは、保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため、又は保安基準に適合させるために当該自動車について必要な整備をしなければならない。

「自動車の使用者」というのが、車を運転するドライバーに該当します!

つまりトラック・乗用車とか、仕事用・プライベート用とかは関係なしにドライバーさんは運行する前に車両の点検を行わなければなりませんし、異常があった場合は整備して保安基準を満たした状態にしなければならないのです!

おそらく車の免許を取得する際に教習所でも教わっているはずなのですが、忘れている方も多いかもしれませんし、そもそも教習所でも、そこまで重点的に教えていないので、なかなか車両の点検・整備を正しくできる人は少ないと思います!

また、実際に整備士でもない人が自分で整備するとなると専門知識や技術は勿論、その他にも色々な設備や工具が必要になり、あまり現実的ではない事もあるので、ほとんどの人が道路運送車両法にある日常点検整備の義務を守っていないのが現状です!

そこで今回は、どのようにタイヤの空気圧点検を行っていけば良いのか解説していきたいと思います!

 

タイヤの空気圧点検・調整方法!

タイヤの空気圧の単位!

まずタイヤの空気圧の点検・調整方法の前に、空気圧の単位について解説しましょう!

日本では空気圧の単位がkPa(キロパスカル)又はkgf/cm²(キログラムフォース)の2パターンが主流となっています!

kPa(キロパスカル)は国際単位(SI単位)に基づく空気圧表示で、日本では1999年に制定された新計量法より使用されています。1パスカルは1m² の面積につき1ニュートン(N)の力が作用する圧力を意味します。

kgf/cm²(キログラムフォース)はSI単位に移行する前まで使われていたMKS重量単位の空気圧表示。重量キログラムは1kgの質量が標準重力加速度のもとで受ける重力の大きさを示しています。

1 kgf/cm²は換算すると98.0665kPaになります。

大まかに説明しますとkgf/cm²(キログラムフォース)は一昔によく使われていた単位であり、kPa(キロパスカル)の方は国際的に定められた単位で世界中で広く使われるものであり、日本でも20年くらい前から使われるようになった単位です!

ただ、旧単位であるkgf/cm²ですが「一昔によく使われていた単位」といっても今では使われていない単位というわけではなく、年齢層の高い人たちの間でよく使われる単位というわけでもなく、今でも年齢層関係なしに会話中で使われる傾向にあります!

タイヤの空気圧2キロに調整して下さい!
タイヤの空気圧2.5キロにしました!

などのように「○○キロ」と略して使われる事が多く、この場合はkgf/cm²の方を指す事が今でも一般的ですし、kgf/cm²をわざわざ「キログラムフォース」と言う人も滅多にいないです!

逆にkPa(キロパスカル)という単位は、タイヤの空気圧を測定するためのエアゲージや、車の取り扱い説明書や整備要領書などに記載される時によく使われます!

1 kgf/cm²は換算すると98.0665kPaになりますので「1キロ⇒100キロパスカルくらい」という認識で大丈夫です!

タイヤの空気圧2.5キロにしました!

と言われたら、その数値に100をかけて「だいたい250キロパスカルだな」と思っていただいて結構です!

エアゲージと使った空気圧点検・調整方法

タイヤの空気圧の点検方法の1つで点検ハンマーでタイヤを叩き、その時の音で点検する方法がありますが、この方法はあくまで簡易的な方法であり、正確に点検ができないのでタイヤの空気圧を測定するための「エアゲージ」という物をなるべく使いましょう!

このエアゲージですが乗用車用トラック用があり、乗用車用の物ですと400kPa~600kPaくらいまでしか目盛りがありません!

乗用車ですと空気圧の基準値が200kPa~280kPaくらいなのに対してトラックの場合は500kPa~1000kPaくらいですので、目盛りが1200kPaまである物を使いましょう!

ノズル(チャック)の部分も主に乗用車のタイヤやトラックの前輪に使われているシングルタイヤ用と、主にトラックの後輪に使われるダブルタイヤ用があり、トラックの後輪は片輪に2つのタイヤが使われるダブルタイヤがほとんどです!

ダブルタイヤは2つのタイヤを180度逆向きにして組み合わせて取り付けられるので、空気を入れるエアバルブの向きが2方向必要になります!

※ダブルタイヤについてはウィキペディアを参照下さい
↓↓↓
ダブルタイヤとは?

下の写真のように内側のタイヤのエアバルブの向きは、乗用車のタイヤのように空気を入れる口の部分がこちら側を向いている(黄色矢印)のに対して、外側のタイヤは向こう側を向いています!(オレンジ色矢印)

シングルタイヤ用は空気を入れる所が1方向しかないのに対して、ダブルタイヤ用は2方向ありますので後者のタイプを使いましょう!

下の写真で説明しますと黄色い矢印の部分(1枚目2枚目とも)が、こちら側を向いているエアバルブに対応していますので、シングルタイヤやダブルタイヤの内側に使えます!

オレンジ色の矢印の部分がダブルタイヤの外側に対応した物になります!

エアゲージですが高価な物ですと定価で2~3万円くらいしてしまうので個人で用意するのは負担が大きいかもしれませんが、会社によっては共用工具として常備している所もあります!

残念ながら会社に無い場合はダメ元で会社の経費で買ってもらうよう説得するか、タイヤ屋さんなどでやってもらいましょう!

自動車のタイヤ空気圧の基準値ですが、大抵は運転席を開けた所に書かれているか、車の取り扱い説明書に書かれています!

また、この基準値は走行前のタイヤが冷えている状態の値になりますので、出発前に点検や調整を行う必要があります!

ただ、トラックドライバーの仕事というのは時間が不規則な仕事も多く、真っ暗な夜に出発するケースも多いです!

暗い中での作業は危険ですし、効率も悪いため運行終了後の明るい時にやろうと思ったり、時間に余裕のある仕事終わりにやろうと思ったり、出先にあるガソリンスタンドなどで調整してもらおうとする事もあるかと思います!

その場合は、タイヤが冷めて空気圧が下がることも考慮して、基準値よりも高めに入れておく必要があります!

 

意外と知られていない注意事項

温度によってもタイヤの空気圧は変化する

タイヤの空気圧ですが、一般的には最低でも1ヵ月に1回はチェックを行うべきと言われています!

タイヤメーカーであるブリヂストン社のサイトでも乗用車用タイヤでは「自然空気漏れ」によって1ヶ月で約5~10%も空気圧が低下し、約41%のクルマが空気圧不足となっていると説明されています!

しかし、空気圧の低下は「自然空気漏れ」だけではありません!

先ほども少し説明しましたが、タイヤの空気圧は温度によっても変化します!

タイヤが温まれば空気圧が高くなりますし、冷えれば空気圧が低くなります!

この現象、意外と知らない?と言いますか、気が付いていない人や少し勘違いをしている人が割と多く「空気が抜けて空気圧が下がることはあっても上がることは無い」と思われている傾向にあります!

インターネットで調べても、温度によってタイヤの空気圧が変化するという説明がされているサイトは多く存在するのですが、この現象について、そこまで詳しく説明されているサイトは少ないと思います!

タイヤは放っておくと空気圧が低くなるのでマメに補充した方が良いですよ!
タイヤの空気圧が少ないと寿命が短くなったり燃費が悪くなるので少し多めに入れるのが良いですよ!
空気圧が低い状態で高速走行するとスタンディングウェーブ現象が起きてバースト(破裂)する恐れがあるから空気圧を高めにしましょう!

こんな感じでタイヤの空気圧は少し高めの方が良いという話はよく聞くと思いますが、少なめにした方が良いという話はあまり聞かないと思います!

※スタンディングウェーブ現象についてはウィキペディアを参照下さい
↓↓↓
スタンディングウェーブ現象とは?

インターネットで空気圧に関する情報を調べても大抵は高めにすることをオススメしていますし、タイヤメーカーであるブリヂストン社のサイトでも同じように少し高めにすることを推奨しています!

そして、これらの情報は別に間違いではありません!

また、タイヤや風船の中にある空気が自然に抜けて減ることは、なんとなく想像できるかと思いますが、中の空気が自然に増えることは考えられないかと思います!

そういった事から「空気が抜けて空気圧が下がることはあっても上がることは無い」というイメージが世間的に浸透してしまっています!

ではなぜ温度によってもタイヤの空気圧が変化するのでしょうか?

 

増えることもあるの?空気圧過多にも注意が必要!

温度によってもタイヤの空気圧が変化するという現象は、実はそれほど難しいことではありません!

おそらく皆さん小学校の理科の授業でも教わっているかと思いますが、空気というのは温まると膨張し、冷えれば伸縮します!

空気以外にも金属なども同じ現象がおきますので、電車のレールは熱膨張をした時のことも考慮し、所々にスキ間を設けてあるという話は有名かと思います!

温まれば空気が膨張し空気圧も高くなる、冷えれば空気が伸縮し空気圧も低くなる!

ただそれだけの話なのですが、問題なのは空気圧=空気量だと誤認されている事が多いという点です!

たしかに空気の量を増やしたり減らしたりすれば空気圧も比例して高くなったり低くなったりする物なので誤認されやすく、このことから

空気が抜けて減ることはあっても増えることは無い

自然に空気量が増えることは無い
 ⇩
自然に空気圧が高くなることは無い

と思われてしまう事が多いのです!

逆に言うと、温度によって空気圧が変化しても、空気量が増えたり減ったりしているわけではありません!

空気圧は、空気の圧力のことであり、圧力というのは物体を押す力のことで、量を表すものではありません!

空気が膨張したり伸縮すればタイヤを膨らまそうとする力も変化するので、空気量が一定でも空気圧は変化します!

驚くことにこの事は、過去に僕が自動車整備士の仕事をしていた時の職場でも気がついている人が1人もいませんでした!

自動車整備のプロである自動車整備士ですら、意外と気がついていないのが現状です!

そのため空気圧不足にならないように気をつける人は割と多いかもしれませんが、空気圧過多にならないように気をつける人はあまりいないと思いますし、車屋さんなどで空気圧を低めにすることを奨められる事も滅多にないでしょう。

これらが原因で空気圧過多になっていることに気がつかず、タイヤがバーストしたりタイヤの表面が剥離してしまい、立ち往生してしまうケースもあるのです!

例えば、ものすごく寒い地域にいる時にタイヤの空気圧を高めに入れ、その状態でとても暖かい地域まで車で移動した場合、元々空気圧を高めにしてあったタイヤの内圧は更に高くなりますので空気圧過多の状態になってしまいます!

ちなみに僕のように車でサーキットをスポーツ走行する際は、タイヤがかなり発熱するので走る前に空気圧を低めにするのが一般的です!
(あえて空気圧を高めにしてスポーツ走行するケースもあります)

一般道を走る際に、サーキット走行時のように激しくタイヤが発熱することは無いと思いますが、寒暖差の激しい季節の変わり目や、気温が大きく異なる地域に移動した場合は注意が必要です!

 

まとめ

今回の記事のおさらい

いかがでしたでしょうか?

少し話が長くなってしまったので要点をおさらいしましょう!

要点まとめ
  • 車両点検はドライバーの義務
  • タイヤの空気圧点検は、なるべくエアゲージを使う
  • タイヤの空気圧は温度によっても変化する
  • 空気圧過多によるトラブルもある
  • 寒暖差の激しい季節の変わり目や、気温が大きく異なる地域に移動した場合は注意が必要

一言に「タイヤの空気圧」といっても、実は奥が深い事が解るかと思います!

空気圧不足が危険である事は世間に浸透しているかもしれませんが、空気圧過多に関しては意外と知られていない部分があります!

特に近年では燃費を気に掛けるユーザーが増えていて、空気圧を多めにした方が燃費が良いという情報が多く出回っていることもあり、空気圧が過多になってしまうことがあります!

高速道路を走っていると、たまにタイヤの破片や、タイヤの表面が剥離したような物が道路の片隅に落ちている事があることに気が付いているでしょうか?

気が付いていない人もいるかもしれませんが、よく見ると落ちているケースが割と多いです!

それが全てタイヤの空気圧が原因で起きたトラブルとは断定できませんが、それだけタイヤのトラブルが多いという事になります!

感 想

法的にドライバーが点検・整備を行わなければならないと理解した所で、いざ実践しようと思っても専門的な知識や技術が無いと容易に実行できませんし、それなりの設備や工具も必要となります!

また、日本の自動車メーカーが車の情報を一般公開していない事もあり、かなり無茶ぶりな部分があるのも事実であり、理不尽な気もします!

ですが、車の点検・整備を怠ったことで事故や車両トラブルに発展してしまい、金銭的ダメージを負ってしまったり周りに迷惑をかけてしまったり、ひどい場合は死者が出てしまうこともあります!

とくにトラックで運送中に立ち往生してしまい遅延したり、事故をして荷物を破損させてしまうと高額な損失に繋がります!

無駄な損害を出さないようにするためにも、まずは初心者の方でも手を出しやすいタイヤの空気圧管理から気を配ってみて下さい!