こんにちは、プロキオンです!
今回はトラックの運転に関する内容で、マニュアル車のシフトチェンジ(ギアチェンジ)についての記事を書いてみました!
日本の乗用車は30~40年くらい前からマニュアル車よりもオートマ車の方がメジャーとなっている故に、マニュアル車の運転方法を熟知している人が激減してしまっています。
ほぼ毎日のようにマニュアル車を運転しているトラックドライバーでさえ、マニュアル車の運転方法をあまり理解できていない人がほとんどなのが現状です。
そのため、マニュアル車の運転をきちんと教えて上げられる人も少なく、就職した会社の車がマニュアル車だった場合、戸惑ってしまう方も多いかと思います。
教習所でも時間が限られている関係で、そこまで詳しく教えてもらえなかったり、難易度の高い運転方法は逆に安全運転に支障をきたすと判断され、無難な運転方法しか教えていません。
知人や会社の先輩にコツを教わろうしても
といった感じで適切なアドバイスが貰えない事もあると思います。
マニュアル車を運転する際に、初心者が悩みを抱える要素の1つとしてシフトチェンジ(ギアチェンジ)のタイミング・エンジン回転数が挙げられます。
そこで今回は、仕事では日々トラックの運転をし、プライベートではマニュアル車でサーキットを走ったり耐久レールに参加したり、過去に自動車整備士をやっていた経験もあったりと自動車に関するスキルが幅広い僕がトラックのマニュアル操作について解説していきたいと思います!
ちょっと内容が専門的な感じで難しいかもしれませんが、最後まで読んでいただけたら幸いです。
特に理屈が理解できていないと物事を上手くこなせないタイプの方には是非とも目を通して頂きたい所存です!
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マニュアル車を上手に乗りこなすコツ!
マニュアル車の運転を熟知している人が激減している日本
冒頭でもお話したように、知人や会社の先輩にコツを教わろうしても、なかなか適切なアドバイスが得られなくて上達できずにいる人もいるかと思います。
それはマニュアル車の運転方法を熟知していないから、きちんと教えてあげる事ができないのです。
毎日のようにマニュアルのトラックやバスを運転している人でも、実はちゃんとしたマニュアル車の運転方法を理解していない人が多いので、こういった事が起きてしまうのです。
インターネットで調べてみても
- シフト操作はゆっくり丁寧に
- ギアの変換タイミングを知っておく
- 低燃費走行を心掛けましょう
- たくさん練習して慣れましょう
と説明されている事が多いです。
間違いではないのですが、説明が不十分かなと思います。
マニュアル車が上手く運転できない方は、このように思われているケースが多いと思います!
また、サイトによっては「エンジンブレーキのシフトダウンはしない」と書かれている事もあります!
後ほど解説しますが、この方法は個人的には同感しません!
プロのテストドライバーやレーシングドライバーから学ぼう!
本題に入りますが、マニュアル車を上手に乗りこなすコツですが、まずはエンジン、トランスミッションの大まかな構造や特性、役割を把握することが重要です!
トヨタ自動車が運営している自動車情報提供サービス「GAZOO.com」のYouTube動画では、トヨタで40年間テストドライバーをつとめた実績を持つ滝本良夫氏と、現役のレーシングドライバー蒲生尚弥選手が「上手な運転のためには車の声を聞くことが大事」「音とか振動を感じ取りながら」と説明しています!
YouTube動画ではトヨタ86という乗用車で解説されていますが、トラックでも基本構造は同じですので、だいたい同じような要領で大丈夫です!
「車の声を聞く」というのは、音や振動でエンジン、トランスミッションの挙動を感じ取りながら運転するという事です!
言い方を変えると車の気持ちになって考えながら運転するのです!
これができるようになる事が理想的なのですが、そのためにはエンジン、トランスミッションの大まかな構造や特性、役割などが頭に入っていないと、何をどうすれば良いか分からないと思います!
これは、人と人とが何か共同作業をする時も同じ事が言えますね!
お互いの事を理解し合えていないと、円滑なチームワークが成立できず、共同作業がスムーズにできません!
車の運転も同じでして、きちんと把握していない状態でテキトーに運転したり、信憑性のない情報を鵜吞みにして間違った運転をしていると、上手な運転ができないだけでなく車の寿命を縮めてしまう要因にも繋がります!
エンジン、トランスミッションを理解しよう!
エンジンとトランスミッションの構造
エンジン、トランスミッションの大まかな構造や特性、役割を把握することが重要であると説明しましたが、ここで今度はエンジニアリング教育動画を作製している、人気の英語のYouTubeチャンネル「Learn Engineering」を元に日本語化された動画を観てみましょう!
動画で色々と専門用語や部品名称が出てきましたが、これらを全て理解しなければならないわけではありません!
かなりの車好きや機械に詳しい人でないと、なかなか全てを理解するのは困難だと思います!
重要なのは
- エンジン(内燃機関)には限られたトルクバンド(パワーバンド)がある
- トランスミッションはエンジンを状況に応じて最適な回転速度(回転数)の範囲内で動作させるための物である
- 状況に応じて適したギアにシフトチェンジし、エンジンにとってベストな回転域を活用する
最低限これら3つを大まかに把握できれば、マニュアル車を上手く運転するためのヒントを得る事ができます!
エンジンの特性
先ほど「エンジン(内燃機関)には限られたトルクバンドがある」と説明しましたが、これはエンジンというのは全回転域で最大トルクを発揮することができない特性を持っているということです!
下の図はいすゞ自動車のエルフというトラックの4JZ1-TCHエンジンのアクセル全開時の性能を表すグラフになります!
「出力(kW)」が、いわゆる「馬力(PS)」で、「rpm」はエンジンの回転速度(回転数)の単位で、1分間に何回エンジンが回転するかを表しています!
図を見ると
最大出力129kW(175PS)/ 2860rpm
となっていますがこれはアクセルを全開にした時、エンジンの回転速度が2860回転の時に最大出力である129キロワット(175馬力)を発揮できることを意味しています!
同じように
最大トルク430N・m(43.8kg/m)/ 1450~2860rpm
は、アクセルを全開にした時、エンジンの回転速度が1450~2860回転の時に最大トルクである430N・m(43.8kg/m)を発揮できることを意味しています!
エンジンは回転速度が高すぎても低すぎても強いトルクを発生させることができないので、なるべく強いトルクを発生できる領域をキープさせる必要があります!
でないとスムーズに加速させる事ができないだけでなく、無駄に燃料を消費する事にもなりますので燃費も悪くなります!
そしてエンジンの回転速度を把握するための物が「タコメーター」になります!
タコメーターに書かれているエンジンの回転速度を表す単位は「rpm」表記の場合と、「r/min」表記の場合がありますが、どちらも同じような意味であり、1分間に何回エンジンが回転するかを表しています!
また、エンジンは慣性力によって回転を維持しているので、回転速度が下がりすぎてしまうと止まってしまいます!
これが俗に言う「エンスト」ですね!
更に、完全に停止した状態(ゼロ回転)から自力で動き出すことができないので、エンジンがかかっていない状態で、どんなにアクセルを踏んでも動き出すことはありません!
マニュアル車に限らずオートマ車でも、皆さん最初にエンジンをかける時はアクセルを踏むのではなく、鍵を回してエンジンをかけたり、新しい車種なんかはスタートボタンを押してエンジンをかけるはずです!
普段、当たり前のように行っている動作だと思いますが、これはエンジンは完全に停止している状態から自力で動き出すことができない物であるので、最初だけはスターターモーターである程度、回してあげなければならないからです!
ちなみにモーターという物はエンジンとは特性が違い、回転速度が低ければ低いほど強いトルクを発生できる特性を持っていて、完全に停止している状態からでも電気が流れれば回り出すことができます!
トランスミッションの役割
先ほど「エンジンの回転速度が高すぎても低すぎても効率よくトルクを発生させることができないので、なるべく効率よくトルクを発生できる領域をキープさせる必要があります!」と説明しましたが、この役割を果たしているのが「トランスミッション」になります!
トランスミッションというのは「変速機」のことで、動力伝達の回転数、トルクを変化させる、動力伝達装置のことです!
エンジンの回転速度を犠牲にする代わりにトルクを強めたり、逆にトルクを犠牲にする代わりに低いエンジン回転速度で速い車速をだせるようにする役割を、多数のギア(歯車)で多段階的に行っているのです!
つまり最初の走りだしや上り坂を登る時、重い荷物を積んでいる時、エンジンブレーキや排気ブレーキを強く効かせたい時など、強いトルクを必要とする時は1速とかローギアと呼ばれる加速・減速重視の低いギアで走行します。
ですが、ずっとこのままのギアで走り続けると最高速度が伸びず、エンジンを限界まで(俗に言うレッドゾーン)回しても、せいぜい30~60km/hくらいしか出ませんし、エンジンに負担がかかる上に、うるさくて敵いません!(車種によって出る速度が異なります)
逆に5~9速のようなハイギアとかトップギアと呼ばれる最高速度重視のギアに入れれば、あまり高回転までエンジンを回さなくても100km/hくらい出せるようになりますが、その代わりに加速力が弱まるので、強いトルクを必要とするシーンでこのギアで走行してしまうと加速させるのにかなりの時間がかかってしまいますし、エンジンにも負担がかかります。
ちょっとイメージし辛いかもしれませんが、理屈としては皆さん小学校の理科の授業で習ったと思われる「てこの原理」と同じです!
下の図はアポロ株式会社のサイトに公開されている物を引用しました!
てこの原理にも色々な形がありますが、今回はハサミやペンチのような形の物で解説したいと思います!
刃の長さが短いニッパーと、刃の長さが長いハサミを用意しました!
刃の長さが短いニッパーは、グリップを大きく開いても、あまり刃先は少ししか開きません!
物を切る時も1回で長い距離を切ることができませんが、刃の先端では強いトルクを発揮できるので硬い物を切るのに適しています!
これがトランスミッションで言うと、1速とかローギアと呼ばれる加速重視の低いギアみたいな感じになります!
高い駆動力が得られる代償として、エンジンを高回転まで回しても、あまり速度が出ません!
逆に刃の長さが長いハサミでは、グリップを大きく開くと、先ほどのニッパーと比べると刃先が大きく開きますし、1回で長い距離を切る事ができます!
その代わり、刃の先端には強いトルクがかからないので、硬い物を切るのには適していません!
これが5~9速のようなハイギアとかトップギアと呼ばれる最高速度重視のギアみたいなものになります!
エンジンを高回転まで回さなくても速い速度が出せる代償として、高い駆動力が得られなくなります!
てこの原理では、支点、力点、作用点の3つの距離を変えることで調整できますが、トランスミッションはギア(歯車)の直径を変えることで同じような事ができ、このメカニズムを利用してエンジンの全回転域で最大トルクを発揮することができないという欠点を補っているのです!
色々な大きさのギアを使い、走行状況に合わせてギアを切り替えて走行しているのです!
車の声を聞きながら運転しよう!
エンジンのトルクバンドを意識しながら運転する
エンジン、トランスミッションを理解した上で、具体的にどのような運転をすれば良いのでしょうか?
今まで「エンジンにはトルクバンドがある」「強いトルクを発生できる領域をキープさせる必要がある」と説明してきました!
先ほどのISUZU自動車のエルフを例にしたエンジン性能を表すグラフでもエンジン回転速度が2860rpmの時に最大出力を発揮し、エンジン回転速度が1450~2860rpmの時に最大トルクを発揮することが分かります!
よく出力(馬力)とトルクの違いが困惑することがありますが、大まかに説明しますとトルクが物を動かす力の事で、出力(馬力)はトルクに速度を掛け算したものになり、一定時間内にどれだけトルクを発揮できたかを表す仕事量になります!
トルク×エンジン回転速度=出力(馬力)です!
たまに出力(馬力)はエンジンの耐久性の事であると言われる事がありますが、それは間違いです!
あまり深追いしすぎると難しくなってしまうので
加速させる事を最優先させたい時は、最大出力を発揮できる2860rpm前後の領域を活用させると良い!
加速だけでなく、燃費、エンジンの耐久性などトータル的に考慮したい時は最大トルクを発揮する1450~2860rpmの領域を活用すると良い!
と、ザックリですが、こんなイメージでOKです!
このベストな回転域を頭に入れながら状況に応じてシフトチェンジしていくように運転すれば良いのです!
それと、もう1つ頭に入れておかなければならないのが、今まで例に挙げていたいすゞ自動車のエンジン性能を表すグラフですが、これはあくまでアクセル全開時のデータであるという事です!
なので、先ほど説明した最大出力を発揮できる2860rpm前後と、最大トルクを発揮する1450~2860rpmの領域を活用すると良いというのは、あくまでアクセル全開で走る場合に限った一例です!
アクセルを少ししか踏んでいない時は、最大出力と最大トルクを発揮できる回転域が変わります!
大抵の場合、アクセル開度が多いほど高い回転域で最大出力と最大トルクを発揮し、アクセル開度が少ない時は低い回転域で最大出力と最大トルクを発揮する傾向にあります!
なので、あまりアクセルを踏む必要のない時は、今まで説明してきた回転域より低めの領域を活用するようにします!
その具体的な回転域は、エンジンの音や振動、体にかかる加速Gなどを感じ取りながら自身で探ってみて下さい!
必ずエンジンが苦しそうな音を出すことなく、スムーズに進んでくれる回転域があるはずです!
それが「車の声を聞きながら運転する」という事です!
また、当然ですが今回、例に挙げた車種やエンジンとは別のトラックだった場合も最大出力と最大トルクを発揮できる回転域が変わります!
ですが、どの車種でも動力源がエンジンである限り、特性自体は変わりません!
大まかな目安としては大型トラックのようなエンジンの排気量が多い物は低い回転域に最大出力と最大トルクを発揮しやすく、逆に小~中型トラックのように排気量の少ないエンジンは高い回転域で最大出力と最大トルクを発揮しやすい傾向にあります!
最適なシフトチェンジの時にクラッチを繋ぐタイミング!
エンジンの大まか特性を理解したら、次はシフトチェンジについてです!
どんなにゆっくり丁寧にシフト操作やクラッチ操作を行っても車体がガクガクしてしまう人って割と多いかと思います!
それはエンジンの回転速度と車体の速度が一致していない時にクラッチを繋いでしまっているからです!
トランスミッションというのは「変速機」ですから、ギアを切り替えたら速度が変化する機械です!
なのでエンジンの回転速度もギアの切り替えに合わせて上げたり下げたり変化させ、同期させてあげなければなりません!
例えば下の図のような5速マニュアル車で、4000回転まで回すことができるエンジンのトラックがあるとします!
そして1速ギアで4000回転までエンジンを回すと速度が20km/h出ると仮定します!
同じようにエンジンを4000回転まで回した場合、2速ギアで40km/h、3速ギアで60km/h、4速で80km/h、5速で100km/h出すことができるギア比設定だと仮定します!
薄く水色でマーキングしている部分は、仮に毎回2000回転でシフトアップした場合のエンジン回転速度を表しています!
どういうことかと言いますと、もし1速キアでエンジンを2000回転まで回した状態で2速にシフトアップしたいなら、クラッチを切りアクセルペダルを離し、エンジンの回転速度が1000回転まで下がった時に再度クラッチを繋ぐと理論上では上手くシフトアップできるという事です!
1速ギアで2000回転まで回した時、車速が10km/h出ることになります!
この状態で2速ギアにシフトアップさせるなら、車速が同じ10km/h出る回転域に合った時にクラッチを繋げなければエンジンの回転速度と車体の速度が一致しないことになるので、車体がガクガクしてしまうのです!
同じように2速ギアでエンジン回転を2000回転まで回した状態から3速ギアにシフトアップするなら車速が20km/h出ていますので、だいたい1300回転くらいでクラッチを繋ぐと良いということになります!
逆に3速ギアで車速が20km/h出ている時に、2速ギアにシフトダウンしたいならエンジン回転速度を1300回転から2000回転くらいまでエンジンを吹かしてあげなければなりません!
そして、ここで注意することは、1速ギア⇒2速ギアにシフトアップする時はエンジン回転が2000回転から1000回転まで下がった時にクラッチを繋ぐと良いのですが、2速ギア⇒3速ギア、3速ギア⇒4速ギア、4速ギア⇒5速ギアとシフトアップする場合、毎回同じように1000回転でクラッチを繋いではダメということです!
低いギアほど、シフトアップやシフトダウンした時のエンジン回転速度の差が大きく、高いギアになるほどエンジン回転速度の差が小さくなっていきます!
このことを理解していないで毎回、同じタイミングでシフトアップやシフトダウンをしていると、上手くいく時といかない時が出てきてしまいます!
シフトダウンはしない方が良い?
シフトアップは皆さん割と慣れてくると、そこまで苦戦することなくできるようになる人が多いですが、意外とシフトダウンが上手くできない人が多いと思います!
教習所でも、あまりシフトダウンについては詳しく教えていませんし、インターネット上で出回っている情報ですと、サイトによっては
- シフトダウンは高度な技術を要するのでやらない方が良い
- エンジンブレーキのシフトダウンはしない方が良い
- シフトダウンするときは、エンジンブレーキに頼るのではなく「リターダー」というものを上手く使うことがギアチェンジを上手く行うコツ
と書かれているサイトもあります!
この記事の始めの方でも述べましたが、個人的には同感しません!
シフトダウンは高度な技術を要するのでやらない方が良い?
たしかにシフトアップと比べると、ある程度、車速が出ている状態でのシフトダウンは、エンジンを吹かして回転数を上げてあげなければならなかったり、場合によってはダブルクラッチというテクニックが必要とされる時もあります!(ダブルクラッチについての説明はウェキペディアを参照下さい)
昔の車と比べるとダブルクラッチを必要とするケースは減りましたが、4トン車以上のトラックやダンプカークラスになると、ミッションオイルが温まるまでギアの入りが悪く、シフトチェンジが困難な場合があります!
動作が少し増えますし、教習所でもあまり深く教えていないので、そういった意味では少々難易度は高めかもしれませんが、慣れれば割と簡単にできますので「高度な技術」というほどの物ではないかなと思います!
それにトランスミッションやクラッチの寿命を延ばすテクニックでもありますので、運転のプロであるからには、是非とも習得してほしい所存です!
エンジンブレーキのシフトダウンはしない方が良い?
「エンジンブレーキや排気ブレーキを活用するためのシフトダウンをしない方が良い」と書かれているサイトを目にすることがあります!
エンジンブレーキに関しては普通免許を取得する際にも皆さん教習所で教わったと思いますが、峠道など下り坂が多い所で通常のブレーキばかりを多用しているとブレーキが発熱してしまいブレーキが効かなくなる場合があるのでエンジンブレーキを活用するようにと教わってるはずです!
「フェード現象」や「ベーパーロック現象」と言われているやつですね!
これはトラックに限らず全車種に共通して言える事です!
そして、エンジンブレーキをあまり活用しなかった事で起きた大事故が2016年に起きた「軽井沢スキーバス転落事故」です!
インターネットやニュースでも話題となっていたのでご存知の方も多いと思います!
事故の原因は複数あるのですが、最終的に事故の引き金になったのが、ドライバーの運転知識が不足していて、エンジンブレーキをあまり活用しないで峠道の長い下り坂を走行してしまい、通常のブレーキが効かなくなったという実に初歩的なミスです!
この時の観光バスは不用意にシフトアップさせ過ぎて速度が出過ぎてしまい、シフトダウンができなくなり、最終的にブレーキが効かなくなって大事故を起こしてしまいました!
以上の事から、状況に応じてエンジンブレーキのシフトダウンは必要であると言えます!
エンジンブレーキに頼るのではなくリターダーというものを上手く使うことがギアチェンジを上手く行うコツ?
インターネットで調べると「リターダー」という磁力の力を補助ブレーキとして活用する装置を使うと良いと書かれているサイトもあります!
リターダーという機能を活用すること自体は否定しないのですが、このリターダーという装置、実は日本では装着されている車種が少ないのです!
昔と比べたら増えてきているのですが割合的には、まだまだ少ないです!
当たり前ですが、装置が付いていなかったら、そもそも使う事ができませんよね?
まとめ
要点おさらい
聞きなれない用語や見慣れないグラフなどが多く、少し難しかったかもしれませんが、ここで要点をまとめてみましょう!
- 車の声を聞きながら運転する
- エンジンにはトルクバンドがある
- エンジンの欠点を補うためにトランスミッションによる走行条件に合ったシフトチェンジが必須
- シフトチェンジを行う際は、エンジンの回転速度と車体の速度を合わせる必要がある
- 条件に応じてエンジンブレーキや排気ブレーキは活用するべき
おそらくマニュアル車を運転する際、多くの人は慣れや感覚ばかりに頼って運転する人が多く、今回紹介したような理屈をイメージしながら運転する人は少ないと思います!
車は機械であり、理論や物理で動いてるわけですから、この理屈をイメージしながら運転するという事も重要だと思います!
感想
近年では自動車も電子制御によってドライバーを色々とアシストしてくれます!
その反面、ドライバーの知識や技量が不足してしまっている事も事実!
特にマニュアル車のギアチェンジに関しては、きちんとエンジン回転速度を合わせて行うことができるトラックドライバーが激減してしまっていて、人によっては力任せにシフトノブを強引に操作したり、シフトノブを長い物に交換して軽い力でギアチェンジができるようにしている人も多いと思います!
しかし、これらの方法はミッションに負担がかかり、寿命を縮めてしまうので良くありません!
ギアの入りが悪い車種でも、しっかりとエンジン回転速度を合わせてあげたりダブルクラッチというテクニックを活用すればスムーズにギアチェンジできます!
最近ではトラックやバスでもオートマ車やセミオートマ車が増えてきていますが、時には走行状況に応じて手動でギアのレンジを切り替えて運転する必要もあり、ドライバーの知識や技量が重要である事には変わりありません!
是非ともエンジンやトランスミッションを理解し、車の声を聞きながら運転できるようになってみて下さい!