トラック運転

マニュアル車のトラックで坂道発進するコツ!エンストさせない方法!

こんにちは!プロキオンです!

今回はマニュアル車の「坂道発進」を中心にクラッチ操作に関する記事を書いてみました!

マニュアル車の運転というと、定番と言っても過言ではないくらい話題に出てくる坂道発進!

坂道発進でエンジンを吹かし過ぎちゃうんだけど…。
サイドブレーキを使わずに坂道発進できるようになりたい!
そもそも坂道発進の時ってサイドブレーキ使わないとダメ?
クラッチ操作をゆっくり丁寧にやったら教官に「半クラッチが長すぎるとクラッチの寿命が短くなる」って指摘されたんだけど…。

マニュアル車の運転に慣れていない人にとって坂道発進は、よくブチ当たる壁ですよね?

また、坂道発進以外のシチュエーションでも、クラッチ操作がイマイチ上手くいかないという人もいるかと思います!

トラックを中心に坂道発進のコツやエンストさせない方法などを紹介していきますが、乗用車の運転にも共通して使えると思いますので、トラックドライバーに限らず、車の免許を取るために教習所に通っている方や、免許とりたてで、これから練習して上達しようとしている方なども是非参考にしてみて下さい!

車を上手に運転するコツとは?

車の声を聞きこう!

過去のマニュアル車のギアチェンジに関する記事で、トヨタで40年間テストドライバーをつとめた実績を持つ滝本良夫氏と、現役のレーシングドライバー蒲生尚弥選手が「上手な運転のためには車の声を聞くことが大事」「音とか振動を感じ取りながら運転する」と説明していたことを紹介しました!

そして、そのためにはまずエンジンやトランスミッションの大まかな構造や特性、役割を知る必要があると解説しました!
↓↓↓

トラックのシフトチェンジのコツ!タイミングや回転数の合わせ方は?サーキット走行のノウハウと、国家1級自動車整備士の資格とスキルを兼ね揃えたトラック運転手が、ギアチェンジのコツやタイミング、回転数の合わせ方など、トラックのマニュアル車の運転方法について書いた記事です!...

基本的に今回のクラッチ操作でも考え方は同じです!

車の気持ちになって状況を捉えながら運転するのです!

車は物理の法則や機械工学に基づいて動いている

「車の声を聞く」とか「車の気持ちになって」と言うと非科学的な感じがしますが、要するにエンジンの特性を理解し、クラッチの構造や役割を理解した上で車の音や振動などを元に、どうしたら今よりスムーズに運転できるようになれるのか、どうしたらエンストさせないように運転できるのかを逆算して考えられるようになる必要があるという事です!

車に搭載されているエンジン、クラッチ、トランスミッションというのは機械工学に基づいて動いているわけですから、それらを無視してテキトーに運転すれば当然、上手くいくはずがありません!

センスのある人ですと、なんとなく感覚的に運転できてしまう人もいますし、慣れてしまえば細かい理屈が分からなくても運転できてしまうのも事実ですが、そういった方でもキチンと理屈を理解した方がより上達する事ができますし、車の寿命を伸ばすことや、車両トラブルが起きた時に少しでも自分で対処し最小限の被害で済ませられる場合もあります!

特に、頭で考えてから行動する傾向にあるタイプの人は理屈を理解した方が、より効果的に上達する事ができると思います!

 

クラッチを理解しよう!

クラッチの構造

今回もエンジニアリング教育動画を作製している、人気の英語のYouTubeチャンネル「Learn Engineering」を元に日本語化された動画を観てみましょう!

 

色々と聞きなれない専門用語が出てきましたが、きっちり理解できなくても大まかな構造がイメージできれば大丈夫です!

重要なのは

  • エンジンは特性上、ゼロスタートすることができない
  • 車を走らせる上でエンジンと駆動系を常に直結状態にする事は現実的ではない
  • クラッチは摩擦版を押し付けたり離したりすることで動力を遮断する物である

最低限これら3つを大まかに把握できれば上手く運転するためのヒントを得る事ができます!

先ほどのYouTubeチャンネル「Learn Engineering」の動画でも紹介されている通り、クラッチはエンジンとトランスミッションの間にあり、クラッチディスクという摩擦版をスプリングの力で押し付け、エンジン側に付いているフライホイールという部品に押し付けられています!

ドライバーがクラッチペダルを踏むとクラッチディスクとフライホイールが離れて隙間ができ、エンジンとタイヤが繋がっていない状態(ニュートラルみないな状態)になります!

クラッチはギアのように歯と歯が噛み合ってくっついているわけではなく、ほぼ平らな円形の板をスプリングの力で押し付けているだけですので、押し付ける力が弱かったり、クラッチディスクの摩擦力を上回る力が加われば滑りが生じ、発熱や摩耗が起きます!

逆に、この押し付ける力が弱いとクラッチディスクが滑ってしまう状態を利用したのが「半クラッチ」です!

クラッチの役割

走行状況に合わせてトランスミッションの中にあるギアを切り替えて走行するエンジンですが、このギアを切り替える時に、エンジンの動力とタイヤが直結したままですと都合が悪いです!

一応、直結のままでもギアの切り替えは可能なのですが、エンジンの回転速度とタイヤの回転速度が同期するように合わせながらシフトチェンジしなければならなかったり、変速時にシフトショックが出てしまったり、エンジンとミッションに負担がかかってしまったりと色々と不都合です!

なので何らかの方法でエンジンとミッションを切り離し、それぞれをフリーな状態にしてあげなければなりません!

また、先ほど少し出ましたが、エンジンはゼロスタートすることができない特性を持っています!

エンジンは慣性力によって回転し続けている部分もあるので、回転速度が低くなりすぎたり、完全にゼロ回転になってしまうと停まってしまいます!

つまり俗に言う「エンスト」するということですね!

そしてエンジンは完全に停止した状態(ゼロ回転)から自力で動き出すことができません!

という事は、車体が停車している時(タイヤが回転していない時)や、徐行などかなり低い速度で走る時は、エンジンとタイヤが直に繋がっていてはエンジンにとって都合が悪いということになります!

そこで登場するのが「クラッチ」になります!

停車時はクラッチペダルを踏んでエンジンと駆動力を遮断し、発進時や徐行などの低速走行時はクラッチペダルの踏む量を調整してクラッチディスクを意図的に滑らせて(半クラッチ)発進を穏やかにしたり速度が出過ぎないようにしたりしているのです!

この「半クラッチ」ですが先ほど「クラッチはギアのように歯と歯が噛み合ってくっついているわけではなく、ほぼ平らな円形の板をスプリングの力で押し付けているだけです」と説明しましたね?

つまり、クラッチペダルを踏んだ状態から少しづつ離していくと、歯と歯が噛み合った瞬間にいきなりガツンと繋がるわけではないという事がイメージできますよね?

単純に摩擦版を擦り付けているだけです!

なのでエンジンからの動力を、クラッチペダルの踏み込み量によって細かい微調整が可能なのです!

「半クラッチ」という名前からすると50%の力しか動力を遮断できなさそうに思う方もいるかもしれませんが、実際は0~100%間で調整が可能です!

たまにクラッチ操作が苦手な人で、クラッチペダルを「一番奥まで踏む」「半分離す」「完全に離す」と3段階でペダル操作をする人がいますが、0~100%間で調整が可能なので、別に段階的に調整する必要はないですし、断続的に半クラッチを活用しても大丈夫です!

 

上手な坂道発進の方法!

サイドブレーキを使わない方法

大まかな理屈が分かった所で、実際にどのようにすれば良いのでしょうか?

重力がある関係で上り坂で車は重さに引っ張られるため、停止した状態ではブレーキをかけていないと後ろに下がってしまいます!

この後ろに引っ張られる力と、前に進もうとする力が釣り合えばブレーキをかけていなくても車は、その場に停止した状態を保持できますし、前に進もうとする力が勝れば車は前へ進みます!

それに対応するためにはアクセルの踏み込み量と、クラッチペダルの微調整が重要であり、同時作業をしなければなりません!

このアクセルペダルどクラッチペダルの同時作業が慣れないと非常に困難であり、上手くいかないとエンストしてしまったり、急発進して前方の車に追突してしまう恐れがあります!

なのでアクセルペダルとクラッチペダルの操作を可能な限り別々に分けて行った方が無難に発進できるのでサイドブレーキ(ハンドブレーキ又はパーキングブレーキ)を使う方法を教習所で教わるのが一般的です!

ですが、サイドブレーキを使わずスマートに坂道発進を決めたいと思う方もいるかと思いますし、車種によってはサイドブレーキが電動やエアの力で作動させている物もあり、この手のタイプですとONかOFFしかなく微調整が効かなかったり、微妙にラグがあってやりにくいと感じる人もいると思います!

そこでオススメなのが、フッドブレーキを踏んだままの状態で半クラッチを使い、車が後ろに下がらないようにする方法です!

最初だけ右足はフッドブレーキを踏むのに専念し、アクセル操作はしないでサイドブレーキを引いた時と似たような状況を作り、エンストしない程度に半クラッチを繋ぎます!

そうする事でサイドブレーキを使わなくても車が固定された状態をキープしつつ、同時に前に進もうとする力も発生させる事ができますので、いざ発進しようとした時に車が下がりにくくなります!

今回もトヨタ自動車が運営している自動車情報提供サービス「GAZOO.com」のYouTube動画を参考に詳しく観てみましょう!

今回もトヨタ86という乗用車を使って解説されていますが、トラックの場合でも基本的な構造は一緒ですので、同じ方法が通用します!

むしろ、乗用車よりもトラックの方がエンジンが低回転時のトルクが強い傾向にありますので、有効な手段だと思います!

ただ、トラックの場合は車種にもよりますが通常の発進は1速ではなく2速で発進するのが一般的です!

坂道発進でも、動画のように必ずしも1速で発進しなければならないわけではなく、2速で発進しても良いです!

1速と2速のどちらが良いかは状況によって変わります!

サイドブレーキを使った方が良い場合

サイドブレーキを使わないで坂道発進する方法を紹介しましたが、逆にサイドブレーキを使った方が良い場合もあります!

先ほど紹介した方法ですと、右足でフッドブレーキを踏んだ状態で左足で半クラッチにし車が下がらないようにしています!

フッドブレーキを離す瞬間はアクセルペダルは踏んでいないため、エンジンの回転速度が低い状態で発進を開始することになります!

そのため車が前へ進もうとする力が少ししか得られませんので、以下の場合のようなシーンでは、この方法を使っても車が後ろへ下がってしまう事や、エンストの恐れが高くなるのでサイドブレーキを活用した方が良いです!

  1. 傾斜が、きつ過ぎる場合
  2. 重量物を積んでいる場合
  3. 1速(又は2速)のギア比がハイギアな車種の場合
  4. エンジン低回転時のトルクが弱い車種の場合
  5. 強化クラッチが入っている場合

①と②では今回のような方法を使っても車が前進しようとする力より、後ろに下がろうとする力の方が勝ってしまう事があるため、サイドブレーキを使い、アクセルペダルを踏んでエンジンの回転速度を上げてあげないと発進が困難です!

③も同様で、ギア比の設定がトルクよりも速度重視の設定になっている車種では発進が重ったるいのでサイドブレーキを使った方が無難です!

特に長距離向けに作られたトラックや変速数が少ないトラックは、こういったケースが多いです!

④は、エンジンの排気量が少ない車種や、スポーツカーなどに使われる高回転型エンジンの場合は、エンジン低回転時のトルクが弱い場合があるため、エンジン回転速度をしっかり上げてあげなければなりません!

トラックのエンジンでは少ないケースかもしれませんが年式が古かったり、グレードが低く非力なトラックもありますので、そのような場合はサイドブレーキを使う方が無難です!

⑤のケースは、スポーツカーや競技車両に使われる場合があり、クラッチの繋がりが非常にダイレクトで急発進しやすく、半クラッチがほぼ無いような感じになります!

クラッチペダルを少し離しただけでガツンと繋がるので、そもそも穏やかな発進が困難です!

④・⑤は、あまりトラックでは無いケースだと思いますが、その手の車両を積載車やキャリアカーに積み、サーキット場やオークション会場、中古車センター、整備工場などに輸送する仕事に就く場合もあると思いますので、知識として知っておいた方は良いかと思います!

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その他の注意事項!

ヒルスタートアシスト機能について

坂道発進をアシストしてくれる「ヒルスタートアシスト機能」というのが装着されている車種もマニュアル車オートマ車ともに増えてきています!(メーカーによって呼び名や略し方が違う場合があります)

ヒルスタートアシスト機能は、ブレーキペダルから足が離れた後、ブレーキの圧力を保持し、ブレーキペダルから足を離してもブレーキが効いた状態をキープしてくれるので車両は停止状態になり、後ろに下がる恐れが軽減されるシステムです!

ですが完璧ではないので、必ずしも車が下がらないとは限らないので、過信は禁物です!

また、この機能には作動条件があり、条件が揃わないと作動しない場合があります!

ゲームなどで条件を満たさないとイベントが起きなかったり、特定のアイテムやキャラクターが入手できないのと同じように、この坂道発進のアシスト機能も、ある一定の条件を満たさないと作動しませんので、その事を知らないで過信しすぎると非常に危険です!

酷い例で言いますとドライバーによっては、このブレーキを離しても車が動かなくなるアシスト機能をパーキングブレーキ代わりに利用し、信号待ちなどでパーキングブレーキをかけずフッドブレーキも踏まないで横着をするドライバーも見かけます!

僕が過去に勤めていた運送会社でも実際にあった例で、これをやって車が動いてしまい、追突しそうになった、あるいは追突してしまった情けないドライバーが割といました!

ヒルスタートアシスト機能は、あくまで坂道発進をアシストする機能であり、パーキングブレーキではありません!

 

3速発進について

トラックのエンジンには力強さが求められるため、低回転域で高トルクが発揮できるディーゼルエンジンが採用される事が多く、排気量も大きいです!

さらにトラックのミッションは、荷物を積載した状態でも登坂ができるようトルク重視のギア比に設定しているので、1速は基本的に荷物を積載した状態で坂道発進するためのギアと言っても良いでしょう!

そのため、トラックは平坦な道でも坂道でも2速で発進するのが一般的です!

ですが、その事を過信して3速発進をするドライバーもいます!

割とスムーズに3速発進できてしまうので問題ないと感じるドライバーも多いですが、クラッチの寿命を早める原因となります!

一部例外的な車種もあるかもしれませんが、坂道に限らず平坦な道でも基本的にはNGです!

僕が過去に勤めていた運送会社の後輩で3速発進を多用し、新品のクラッチを2ヶ月くらいでダメにした例もあります!

クラッチの調整について

インターネット上で、サイトによっては「定期的にクラッチの調整をすると良い」「クラッチの調整をすることが上手く行うコツ」と書かれている場合があります!

クラッチは摩耗していくとクラッチペダルの遊びやガタ、半クラッチの位置などが変化するので定期的に調整をした方が良いという事なのですが、気を付けなければならないのが「自分好みに調整すると良い」と勘違いしないようにしなければならない事です!

車種それぞれに基準値が設けられていて、この基準値から外れクラッチの遊びが多すぎても少なすぎても、クラッチの切れ不良や滑りの原因となるので、ドライバーの好みで調整するものではなく、あくまで「基準値から外れていたら調整しましょう」ということです!

 

まとめ

今回の記事のおさらい

マニュアル車を運転する際、少々難易度が高い事で話題に出やすい坂道発進!

場合によってはオートマ車でも例外ではなく、なかなかリスキーであり、事故に繋がる恐れもあります!

ここで今回の要点をまとめてみましょう!

要点おさらい
  • クラッチはペダル操作によって細かい調整(半クラッチ)が可能!
  • フッドブレーキを踏んだまま半クラッチを使えばサイドブレーキを使わなくても坂道発進ができる!
  • 場合によってはサイドブレーキを使った方が良い場所もある!

坂道発進の時にサイドブレーキを使う派の人もいれば、なるべく使わないで坂道発進をする派の人もいると思います!

僕の場合は、車両や状況に合わせて両パターンやります!

正直な所、臨機応変に判断し、状況に見合った運転をする事が重要なのです!

感 想

車を運転するからには坂道発進は避けて通る事ができません!

坂道発進は、通常の発進と比べると素早い動作と正確な操作が要求されるため、理屈を理解しただけでは、なかなか上達しないかもしれません!

慣れや感覚に頼って行う部分も多いかと思いますが、正しい操作方法を理解することは大事な事であり、上達の近道でもあります!

今回の記事を読んでいただき、少しでも坂道発進を克服できることができれば幸いです!