「メモ」と「ノート」の違いや使い分け方・書き方・取り方のコツについて解説していきます。
インターネットで調べてみると「メモ」と「ノート」の違いについて解説しているサイトが複数あるものの、違いが解ったところで具体的にどう使い分けたら良いのか?
仕事や日常でどう生かせば良いのか?
教わったことや覚えておきたいことを忘れないようにするための書き方や取り方が解らないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は「メモ」と「ノート」の違いや使い分け方、書き方・取り方のコツについて解説していきます。
単に知識や雑学として「メモ」と「ノート」の違いを理解するのではなく、仕事や日常など実践でも活かしたいという方は、是非とも最後まで読んで頂けると幸いです。
「メモ」と「ノート」の違いについて
「メモ」と「ノート」の違いや、それぞれのメリットとデメリット
日本と海外とで意味合いが逆になるのですが、大まかに説明しますと日本の場合では「メモ」と「ノート」の違いは以下の通りです。
【メモとは】
- 短時間で要点のみを書き留めたもの
- 大雑把に情報を書き留めたもの
- 簡易的に情報を書き留めたもの
それに対して「ノート」は以下の通りです。
【ノートとは】
- 情報を丁寧に解りやすく書き留めたもの
- 要点のみではなく詳細なども書き留めたもの
「メモ」は要点のみを短時間でザザッと大雑把に書き留めたもので、それに対して「ノート」は要点のみではなく詳細なども丁寧に解りやすく時間をかけて書き留めたものになります。
そして、それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。
「メモ」のメリットは短時間で重要なところをのみを書き留めるものなので、人の話を聴きながらスピーディーに書き留める時や、時間制限があり、ゆっくり丁寧に書いている状況ではない時などに向いています。
デメリットは、大雑把に要点のみを書き留めたものなので、後から見返した時に詳細が分かりにくかったり、自分以外の人が見た時に情報が伝わりにくかったりすることです。
「ノート」のメリットは、丁寧に解りやすく要点や詳細を書き留めたものなので、後から見返した時や、自分以外の人が見た時も情報が伝わりやすいことです。
デメリットは書き留めるのに、ある程度の時間を要してしまうため、時間に限りがあるシチュエーションですとか、人の話を聴きながら情報を書き留める時などには不向きです。
大抵の場合、文字を書くスピードよりも、人が話すスピードの方が速いですからね。
かと言って、書く方に集中しすぎてしまうと相手が話している内容が頭に入ってこなかったり、重要な部分を聞き逃してしまう恐れがあります。
「メモ」と「ノート」の違いをインターネットで調べてみると?
インターネットで「メモ」と「ノート」の違いについて調べてみると諸説あり、また、日本語と英語とで意味合いが逆であったりするのですが、日本語においては、例えば以下のような内容がヒットします。
【メモ】
- インフォーマルな文書
- 自分が理解するため、忘れないために書き留めるもの
- 小さな紙切れに少し書きとめる
【ノート】
- フォーマルな文書
- 人へ伝えたり、会社内などで連絡したりするために書き留めるもの
- 罫線の入った冊子状に綴られた紙に記録する
- すでにやったことを記録として残しておいたり、これからやることを覚えておくために書き留めたもの
①のフォーマルとは「公式なさま」、インフォーマルは「公式でないさま」という意味です。
②は他人に情報を共有するか、しないかという定義です。
ノートは他人に情報を共有したり伝えたりするのに対して、メモはあくまで自分が見るために書き留めた文書という解釈です。
③は、きちんとした罫線の入った冊子状に綴られた紙を使用する方がノートであり、テキトーな紙を使用して書かれた文書がメモという解釈です。
あながち間違いではないとは思いますが、ただ、これが解ったところで、あまり日常で活用させたり、役立てることはできないのではないでしょうか?
せいぜい知識自慢や雑学を語る時くらいにしか役に立たないような気がします。
更に言えば、他人に情報を共有するものが「ノート」であり、自分のために書き留めたものが「メモ」であるという基準は当てはまらない場合もあります。
他人に情報を共有するために書き留めたものであっても、時間に限りがある関係で要点のみをザザッと書いたものであれば、それはノートではなくメモになります。
逆に他人に情報を共有するわけではなく、あくまで自分が見るために書き留めたものであっても、解りやすく丁寧に時間をかけて書いたものであれば、それはメモではなくノートになります。
これってメモ?それともノート?
【例1】
例えば、探偵物、推理物のドラマやマンガ・アニメなどで、殺害されてしまった人が死の間際に残していく「ダイニングメッセージ」です。
「ダイニングメッセージ」とは、紙切れなどに暗号やヒントなどを自分以外の人に伝えるために書かれたメッセージですが、これは「メモ」なのか?
それとも「ノート」なのか?
「他人に情報を共有する・情報を伝える」という意味ではノートになってしまいますが、どちらかと言えば「メモなのでは?」という気もします。
殺害された人が書き残していったと思われる紙切れを見つけた時に
「殺害された人が残していったダイニングメッセージと思われるノートがあった」
というよりかは
「殺害された人が残していったダイニングメッセージと思われるメモがあった」
という方が自然かなと思います。
ダイニングメッセージは大抵の場合、死の直前に書き残していくメッセージです。
つまり時間をかけて丁寧に多くの情報を書いている余裕なんてない状況にて書き残していくものなので、他人に情報を伝えるものであってもノートではなくメモになります。
ただし、これが日誌のように犯人に関する多くの情報を解りやすく、ある程度の時間をかけて記録されたものであれば「ノート」になります。
自分が死んでしまうまでに充分な時間があり、多くの情報を書き残していく余裕があるシチュエーションで、色々な情報が解りやすく書かれたものであればノートになります。
【例2】
学校に通う学生が、授業中に先生が教えたことや黒板に書かれた内容を書き写したものは「ノート」と呼ばれるのが一般的ですね。
しかし、この場合のノートは、他人に情報を共有することを目的として書き留めているわけではありません。
他人に見せる場合もあるでしょうが、基本的には自分のために書き留めているはずですが、「メモ」とは呼ばずに「ノート」と呼ばれることが一般的です。
この場合、どれくらい時間をかけ、どれくらいの情報量を書き留めたかが基準となりますので、授業中に教わったことを時間をかけて沢山書いたものであればノートになります。
ですが、授業中に教わったことの要点のみを短時間でザザッと書いたものであればメモになります。
メモとノートの使い分け方と書き方のコツ
教わったことが忘れにくくなる「メモ」と「ノート」の使い分け方
仕事中、ちゃんとメモを取りながら教わっているのに、なかなか仕事が覚えられないという人。
学校の授業で、先生が黒板に書いたことを書き写しているのに、テストの点数が低いという経験がある人。
こういった人達って割と多いのではないかと思います。
これは「メモ」と「ノート」の違いや、それぞれのメリットとデメリットをきちんと理解し、正しい使い分けができていないからです。
メモとノートの違いを「フォーマルか、インフォーマルか」「他人に情報を伝えたり共有したりするか、そうでないか」という程度の認識ですと、これといって実践で活かすことはできません。
教わったことや覚えようとしていることが脳に深く記憶され、時間の経過と共に忘れにくくなるような活用方法を理解しなければ、あまり意味がありません。
重要なのは「メモ」は短時間で要点のみをザザッと書き留めるもの、「ノート」は要点のみではなく多くの情報を解りやすく丁寧に時間をかけて書き留めたものである、ということを理解し、状況に応じてメモとノートを使い分けて書くようにするのです。
じっくり丁寧に書いている余裕がない時はノートではなくメモを書く。
逆に時間は充分にあり、じっくり丁寧に書く余裕があるのであればメモではなくノートを書くようにすると良いのです。
更におすすめな方法としては、人から物事を教わっている時は「メモ」を書き留める。
そして、しばらく時間が経過した後に、その「メモ」を観ながら「ノート」にまとめるという方法です!
二度手間になってしまうのですが、実はこの方法を使うと相手の話を聞き逃しにくくなるだけではなく、脳に記憶として残りやすくなるのです。
人間の脳は、「よく考える」「よく思い出そうとする」「繰り返し思い出そうとする」という行動をした方が記憶が残りやすくなります。
なので、人から聞いたことや、黒板やホワイトボードなどに書かれた内容を書き写しただけでは記憶として残りにくいのです。
ということで次から、教わったことを忘れにくくするためのコツを解説していきます。
「メモ」は解りやすく丁寧に書いてはダメ
先ほども解説しましたが「メモ」は短時間・スピーディーに書くべきものであり、人の話を聴きながら情報を書き留めるのに適しています。
なので時間をかけて丁寧に書いてはダメです。
要点のみをザザッと大雑把に書くのです。
時には文字ではなく、簡易的な絵や図、記号などを活用しても良いです。
書くことよりも相手の話を聴く方を優先するようにするのです。
ちなみに使用する用紙としておすすめなのは冊子タイプ(ノートブックやキャンパスノート)、手帳タイプ、紙切れなど、どれでも構いません。
と言いますか、状況に応じて選ぶことをおすすめします。
学校の授業のように机と椅子がある状態で書くのでしたら冊子タイプのもので良いでしょうが、立ち話をしながら情報を聞き出している時や、移動しながら書き留めなければならない時などは手帳タイプなど、携帯性に優れているもの、ポケットにしまいやすいものなどが良いと思います。
書く量が少ないのであれば紙切れでも何とかなります。
それと、もう1つコツとしておすすめなのが「メモは適度に解りにくく書くこと」です。
「メモ」は適度に解りにくく大雑把に書くと良い
先ほど
人から物事を教わっている時は「メモ」を書き留める。
そして、ある程度時間が経過した後に、その「メモ」を観ながら「ノート」を書き留める
という方法を紹介しました。
この時におすすめなコツとして「メモは適度に解りにくく書くこと」です。
と思われるかもしれませんが、これにはちゃんと理由があります!
実は適度に解りにくく書いたメモを観ながらノートを書く方が「よく考える」「よく思い出そうとする」という行動をするため脳に記憶が深く残りやすいのです。
人間の脳というのは「よく考える」「よく思い出そうとする」「繰り返し思い出そうとする」という行動をした方が深く記憶に残り、忘れにくくなるのです。
もしメモの段階で解りやすく丁寧に書いてしまうと、ノートにまとめる時、特に深く考えることなく、ただ書き写すだけの作業になってしまい、記憶に残りにくくなってしまうのです。
それに、きちんと理解できていない部分があったとしても、きちんと理解できていると錯覚してしまうことがあります。
これは学校の先生から出された宿題をやる時と同じです。
宿題を自分の力でやってきた生徒と、宿題を自分の力では行わず友達に見せてもらって書き写しただけの生徒の2パターンいたとしたら、学力が身に付きやすいのはおそらく前者の方だと思います。
後者の方は、ただ書き写しているだけなので授業で教わったことはあまり記憶に残らず、宿題の提出はするものの、いざテストを迎えた時や、学校を卒業し社会に出た時に実践で活かせない人間になってしまいます。
メモを、あえて適度に解りにくく書き、更に時間が経過して忘れかけている時に、改めてメモを見ながらノートをまとめるのです。
適度に解りにくく書かれている方が、すらすらとノートにまとめることができず、嫌でも「よく考える」「よく思い出そうとする」ということをしなければならなくなり、結果的に脳に深く記憶されやすくなるのです。
それともう1つ、メモを適度に解りにくく書いた方が後で見返した時に、ある程度理解できている部分と、そうでない部分とが区別しやすくなります。
適度に解りにくいメモを見返した時に
「自分が書いたメモなのに見返した時に意味が解らない」
「メモを見返しても内容が思い出せない」
という部分も当然でてくると思います。
その部分は今の自分が理解できていない部分、ほとんど記憶に残っていない部分であることを意味します。
きちんと理解できていることや、深く記憶に残っていることであれば、たとえ解りにくく書いたメモであっても、見返した時にメモを書いている時の状況が容易に思い出せるはずです。
なので、解りにくく書いたメモを見返した時に、思い出せない部分や意味が解らないと感じた部分があったら、そこが今の自分が、きちんと理解できていない所を意味しますので、その部分をより重点的に覚えるようにしたり、後日、自分で調べたり、教わった人にもう一度質問すると良いのです。
そうすれば「よく思い出そうとする」「繰り返し思い出そうとする」という行動をとるので、記憶に残りやすくなります。
「ノート」は人の話を聴きながら書いてはダメ
「ノート」は「メモ」と比べると、ゆっくり時間をかけて丁寧に書き、後に見返した時に解りやすく書き留めなければなりません。
そのため、人から物事を教わっている最中に書いてはダメです。
大抵の場合、文字を書くスピードよりも、人が話をするスピードの方が速いので、とても丁寧に解りやすく書くことなんてできません。
かと言って、ノートを書く方を優先してしまうと相手が話している内容が頭に入ってこなくなる上に、重要な事を聞き逃してしまう可能性も出てきます。
ノートを書くための時間を充分に設けてもらえるような状況でしたら、その限りではないのですが、特にノートを書くための時間を充分に設けてもらえるわけではない時はノートではなくメモを書くようにしましょう。
「ノート」は「メモ」を見ながら書くと良い
人間の脳というのは「よく考える」「よく思い出そうとする」「繰り返し思い出そうとする」という行動をした方が深く記憶に残り、忘れにくくなります。
なので、二度手間にはなってしまうのですが、メモを書くだけ、あるいはノートを書くだけで終わらせてしまうよりも
「メモを書く」⇒「後にメモを見ながらノートにまとめる」
という行動をとった方が「よく考える」「よく思い出そうとする」「繰り返し思い出そうとする」ということを複数回行うことになるので記憶に残りやすくなります。
個人差はありますがメモを書いてから、2~3日くらい時間が経過し、少し忘れかけてきている時に「メモを見ながらノートにまとめる」という作業を行うと良いです。
もし2~3日も経過したら、ほとんど忘れてしまうという方や、メモを書いたその日のうちに覚えなければならないという場合は2~3日くらい経過してからでなくても良いです。
ノートにまとめる時間が無い時はイメージトレーニングで代用する
人間の脳は「よく考える」「よく思い出そうとする」「繰り返し思い出そうとする」という行動をとった方が記憶に残りやすくなることから
「メモを書く」⇒「後にメモを見ながらノートにまとめる」
という作業をすると良いとおすすめしましたが、これだと二度手間になってしまうので、時間に余裕がないという方や、めんどくさがりな方には少し苦痛かと思います。
その場合は
「メモを書く」⇒「後にメモを見てイメージトレーニングをしながら思い出す」
という方法で代用しても構いません。
ノートを書かなければ参考資料を残すことはできなくなりますが、とりあえず「よく考える」「よく思い出そうとする」「繰り返し思い出そうとする」という行動はとるため、脳に深く記憶を残しやすくなります。
メモとノートの違いや使い分け・書き方・取り方についてのまとめ
メモとノートの違いのおさらい
今回はメモとノートの違いや、使い分け方・書き方・取り方について解説しました。
少し長くなりましたので、最後に要点をまとめてみましょう。
【メモとは】
- 短時間で要点のみを書き留めたもの
- 大雑把に情報を書き留めたもの
- 簡易的に情報を書き留めたもの
それに対して「ノート」は以下の通りです。
【ノートとは】
- 情報を丁寧に解りやすく書き留めたもの
- 要点のみではなく詳細なども書き留めたもの
「メモ」は要点のみを短時間でザザッと大雑把に書き留めたもので、それに対して「ノート」は要点のみではなく詳細なども丁寧に解りやすく時間をかけて書き留めたものになります。
ただし日本と海外とでは意味合いが逆になります。
というより、本来は「ノート」の方が要点のみを短時間でザザッと大雑把に書き留めたものであり、それに対して「メモ」の方が要点のみではなく詳細なども丁寧に解りやすく時間をかけて書き留めたものになるのですが、なぜか日本では使い方が逆転してしまいました。
まぁ、この辺は非常識なことが常識化されてしまいがちな日本の文化といったところでしょうか…?
(´・ω・`)
メモとノートの使い分け方・書き方・取り方のおさらい
- メモは短時間で要点のみをザザッと書き留めるものであり、時間をかけて解りやすく丁寧に書いてはダメ
- ノートは要点のみではなく多くの情報を解りやすく丁寧に時間をかけて書き留めたものであるため、ゆっくり丁寧に書いている余裕がない時に書くものではない
この2つを理解し、状況に応じてメモとノートを使い分けて書くようにすることが重要です。
それと人間の脳は、「よく考える」「よく思い出そうとする」「繰り返し思い出そうとする」という行動をした方が記憶に残りやすくなります。
ですので、メモはあえて適度に解りにくく書き、後にその解りにくく書いたメモを見ながらノートにまとめるという方法で復習をすると、より記憶に残りやすくなります。