今回はタイトルにもある通り、工具の基本ツールの1つとも言える「メガネレンチ」について記事にしてみました!
整備関係や組立・解体作業などを行う会社に就職が決まり、仕事用として工具を購入しようとしている方。
車・バイク・自転車イジリやDIYなど趣味用として購入を検討している方など色々なケースがあるかと思いますが、何を基準に選べば良いか分からず迷っている方もいると思います。
「KTC・ネプロス」「ハゼット」「STAHLWILLE(スタビレー)」「スナップオン」などのような高級工具。
ホームセンター、Amazon、アストロ、ストレートなどで売られているような激安工具。
ダイソー、セリア、キャンドゥのような百均で売られている更に安い工具。
その他にもTONEツール、シグネット、DEENなど、メガネレンチにも色々なメーカーやブランドがあって、どれを選べば良いか分からない方も多いと思います。
そこで今回は自動車整備士・トラックドライバー・サーキット走行などの経験や、国家一級自動車整備士の資格を持っている僕がメガネレンチについて解説していきたいと思います。
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メガネレンチはどこがいい?個人的におすすめなメーカー・ブランド
メガネレンチに関わらず、工具の使い方って人によって色々ですし、工具を持つ人の手の形も様々ですので、どのメーカーやブランドが良いかは一概に言い切れない部分もありますが、個人的におすすめなメーカー・ブランドとしては以下の通りです!
高額でも良いから品質重視で選ぶ場合
- HAZET(ハゼット)
- STAHLWILLE(スタビレー)
- ネプロス(KTCブランド)
- KTC
- スナップオン
値段はかなり高額になってしまいますが、とにかく品質・強度・精度を重視したい場合におすすめです!
ハゼットやスタビレーはドイツの工具メーカーで、見た目が地味な製品が多いため「品質・実用性」よりも「見た目」や「値段の安さ」を重視しがちな日本では認知度が低めですが、世界的には上質工具メーカーとして非常に著名であります。
スタビレー社は産業関係や航空機関係など幅広くサポートしていますし、ハゼット社はフェラーリの車載工具に採用されていたり、ポルシェのワンメイクレース「PCCJ(ポルシェ・カレラ・カップ・ジャパン)」のオフィシャルスポンサーをやっていたりと、スーパーカーやレーシングカーに使われる工具としても活躍しています!
また、かなりマイナーではありますが、日本では実質1台しかない(厳密には2台)と言われているデリバリー用のハゼット・バンもあります!


日本でデリバリー用のバンというと「スナップオン」や「マックツール」がメジャーですが、実はハゼットにもデリバリーバンが有り、知る人ぞ知るウルトラレアな存在となっています!

PCCJ(ポルシェ・カレラ・カップ・ジャパン)のような特定のレースやイベント時でないとなかなかお目にかかれないため、スナップオンやマックツールのデリバリーバンと比べると敷居が高い感じがしますね!
ちなみにこのハゼットのデリバリーバンですがレース会場で見かけた場合、レース参加者だけでなく一般の人でも買い物ができる事が多いです!
ただし、レースによっては観戦チケットによって立ち入ることのできるエリアが限定されていて、チケットによってはハゼット・バンがいるエリアまで入ることができない場合があります。(例:スーパーGTなど)
※KTC・NEPROS(ネプロス)のメガネレンチについては別記事にも紹介していますのでコチラをご覧下さい!
↓↓↓
高額すぎず 且つ 高品質なメーカー・ブランド
- TONEツール
- シグネット
- DEEN(ファクトリーギアブランド)
「欲しいのは山々だけど予算的に高額すぎる工具は買えない、かと言ってあまり品質には妥協したくない」という方におすすめです!
激安工具と比べると高額かもしれませんが「KTC・ネプロス」「ハゼット」「スタビレー」「スナップオン」などと比べると値段は控えめでありながらも、強度や精度、ボルト・ナットをなめらせないような工夫がしっかり施されているので個人的におすすめなメーカー・ブランドです。
DEENのメガネレンチは、字体が某工具メーカーの物に似ていることから、人によってはパチモン扱いされる場合がありますが、強度や精度、ボルト・ナットをなめらせないような工夫など品質面はしっかりと確保されていますので「上質工具」として充分に通用します。
入門用・プライベート用でおすすめなメーカー・ブランド
- KTC
- TONEツール
- シグネット
- DEEN
整備士の入門用、趣味やプライベート用で使う際におすすめなメーカー・ブランドです。
KTCやTONEツールは入門用・プライベート用としては高額に感じるかもしれませんが、僕の経験上では激安工具ばかりを買い揃えている人の行く末を見る限り、買った工具が通用しないケースが多く、後々後悔する事になる人が多いように見受けられます。
そして、そういった方々は大抵、自分の工具が使い物にならないため、僕のところに工具を借りに来ていました。
しっかりとした整備の知識や技術がある方は激安工具でも差し支えないかもしれませんが、入門用・プライベート用と言えども品質は、あまり妥協しない事をおすすめします。
もう少しコストを控えたい方はシグネットかDEENをおすすめします。
KTCやTONEツールでしたら工具の専門店だけでなくホームセンターなどでも取り扱っていることが多いので入手しやすいと思います。
シグネットはホームセンターでは、あまり見かけないかもしれませんが、東京の秋葉原にあるような電気・電子部品屋さんや、ネジ・ボルト・ナット屋さんなどで売られていることがありますし、Amazonのようなネットショッピングでも買えると思います。
DEENは工具の専門店「ファクトリーギア」が出しているオリジナルブランド品であり、日本各地に複数店舗を出店していますし、オンラインショップでも購入できます。
ちなみに10年以上前の事ですが、僕が学生時代に自動車整備用に買ったメガネレンチがDEENの工具セットでした。

それまではオートウェーブに売っていた激安工具やスナップオンのコンビネーションレンチ(メガネレンチとスパナレンチが一体になっているやつ)を使っていたのですが、激安工具ですと作りがチャチで心もとなかったです。
かと言ってスナップオンですと値段が非常に高額な割に、そこまで魅力を感じなかったのと、入門用として買い揃えて行くには予算的に厳しいと思い、品質とコストパフォーマンスを兼ね揃えた工具セットが無いか探したところ、ファクトリーギアのオリジナルブランドであるDEENの工具セットを見つけギアフェスタで購入しました!
その後、自動車・バイク・自転車の整備や、サーキットを走る際などにも重宝し、今でも仕事用としてもプライベートとしても活躍しています!
安物と高級品・上質なメガネレンチの違い
ここまで個人的におすすめなメーカー・ブランドをいくつか紹介しましたが、値段の安さよりも品質を重視して紹介しました。
と思った方もいると思います。
そこで今度は、きちんと「品質」を考慮して作られたメガネレンチと、安物のメガネレンチとの違いを解説していきたいと思います。
ガタ・遊び・すき間の少なさ
メガネレンチをボルト・ナットにはめた時に、上質なメガネレンチでしたらガタ(遊び)が少なくピッタリとはまります。
あまりにもすき間が多くガバガバな物ですと作業スペースに限りがある狭い所で支障が出ますし、なによりボルト・ナットとの密着性が低く、なめらせてしまう要因にもなります。
面接触と線接触(又は点接触)
「面接触」とはメガネレンチでボルト・ナットを締めたり緩めたりした時に、なるべくボルト・ナットとの接触する面積を大きくして線や点ではなく「面」で当たるようにしてボルト・ナットをなめらせにくくしてある構造の事です。
強い力が狭い範囲に集中的に掛かるとボルト・ナットが変形させたり破損しやすくなってしまうので、少しでもメガネレンチとボルト・ナットが触れ合う面積を大きくし「面」で接触させる必要があります。
引用元:ワールドインポートツールズ
身近な物で例えるなら足を靴で踏まれた際に、スニーカーのようなかかとが平らで面状の物で踏まれてしまった時と、ハイヒールのようにかかとが鋭く尖った物で踏まれてしまった時、どちらの方が痛いでしょうか?
体重が同じだったとしてもハイヒールのように、かかとが鋭く尖った物で踏まれてしまった時の方が痛いはずですよね?
このハイヒールのように鋭く尖った物で踏まれてしまった時の状態が、メガネレンチとボルト・ナットが線接触あるいは点接触してしまっている状態と同じであり、ボルト・ナットに与えるダメージが大きくなり、なめらせてしまったり破損させてしまう要因になるのです。
そのため上質なメガネレンチは、なるべくボルト・ナットと面接触するような構造になっています。
ですが、上質なメガネレンチでも一部、例外的な物も存在します。
面接触する事を優先させると、先ほど紹介した「ガタ・遊び・すき間の少なさ」との両立が難しくなる傾向にあります。
そのためボルト・ナットをなめらせにくくすることよりも「ガタ・遊び・すき間の少なさ」の方を重視させるために面接触ではなく、あえて線接触構造にしているメガネレンチもあります。
事例としては、一昔前のハゼットのショートメガネレンチです。

ショートメガネレンチは通常のメガネレンチと比べると狭い作業スペースで使われるケースが多いため「ガタ・遊び・すき間の少なさ」が要求されます。
また、ショートメガネレンチは長さが短い分、通常のメガネレンチほどボルト・ナットに強い力が掛からないため、線接触構造にしてもボルト・ナットをなめらせてしまうリスクが少ないので、あえて線接触構造になっています。
※現行の物はマイナーチェンジされ、面接触構造になっています
ボルト・ナットの角を避ける構造
ボルト・ナットは角の先端部分が最も細く、強度が弱い部分になります。
そのため、角の先端部分に強い力が掛かると削れたり、なめってしまい、角が丸くなってしまいます。
引用元:ワールドインポートツールズ
上質なメガネレンチではボルト・ナットの角・先端部分を避けて接触する構造になっています。
硬さ・粘り強さ
メガネレンチ自体の強度になるのですが、ザックリ言うと「硬さ」と「粘り強さ」の両立がされている事が重要になります。
「強度が強い」というと、とにかく硬い物をイメージされるかもしれませんが、硬さばかりを追求してしまうとガラスのように、もろくなりがちになってしまい、折れたり割れやすくなります。
更に割れた時に破片が飛び散るような破損の仕方をするので危険です。
そのため、硬さだけでなく「粘り強さ」も必要になってきます。
「粘り強さ」で有名なメガネレンチやコンビネーションレンチとしてはスタビレーの物が有名です。
【写真1】
引用元:ワールドインポートツールズ
上の【写真1】のように360度くらい曲げても折れたり割れたりする事なく、メッキも剥がれないことで有名で、その優秀さから航空整備の作業でも非常に重宝されています!
肉厚の偏り
激安工具ですとメガネ部分に薄い所と厚い所があり、均一になっていない場合があります。
この肉厚がバラついていて偏りがあるとボルト・ナットを締めたり緩めたりした際に応力が、肉厚の薄い所(強度が弱い部分)に応力が集中してしまうのでメガネレンチが破損しやすくなります。
仮に破損しなかったとしても強い力が掛かっている最中に変形したり開いてしまうとボルト・ナットとの密着性が保てなくなり、ボルト・ナットをなめらせしまう要因にもなります。
表面処理「鏡面仕上げ」と「梨地仕上げ」
上質なメガネレンチには強度や耐久性を向上させたり錆びにくくさせるためにメッキ処理をします。
そして、そのメッキの仕上げ方法には大きく分けて「鏡面仕上げ」と「梨地仕上げ」の2つがあります。
どちらの方が上質というのは特になく、使う人の好みによって意見が分かれます。
重要なのは「鏡面仕上げ」にしろ「梨地仕上げ」にしろ、メッキが簡単に剥がれたり錆びたりしないかになります。
「鏡面仕上げ」というのはネプロス・スナップオン・シグネット・DEENのメガネレンチのようにピカピカで光沢のある派手な印象のある表面処理です。

メリットとしては
- ツヤがあるため汚れを拭き取りやすい
- 梨地仕上げより錆びにくい
- 高級そうに見える
- ピカピカで派手
- 見た目を理由に日本では人気が高い
デメリットとしては
- ツヤがあるため油汚れが付くと滑りやすい場合がある
- 傷・汚れ・指紋が付くと目立つ
といった特徴があります。
一方「梨地仕上げ」はハゼット・スタビレー・KTC・TONEツールのメガネレンチのように半光沢・無光沢な物で派手さはなく落ち着いた印象のある表面処理です。
金属の表面に細かな凸凹を作り、ザラザラとした質感に仕上げる表面処理方法です。

メリットとしては
- 滑りにくく、握りやすい
- 見た目が渋い
- 傷・汚れ・指紋が目立ちにくい
デメリットとしては
- 地味で高価そうに見えない
- 見た目が理由で日本では人気が低い
- 鏡面仕上げより錆びやすい
といった特徴があります。
「鏡面仕上げ」と「梨地仕上げ」、どちらも「強度や耐久性の向上・錆びにくくする」という機能面での差はあまりなく、どちらの方が良いかは感触など好みで選んでもらって構いませんが、単純に見た目だけを理由に選ばないように気を付けなければなりません。
もちろん見た目も工具選びをする際、1つの基準としていただいて良いのですが、今まで紹介したメガネレンチそのものの強度や精度、ボルト・ナットをなめらせない工夫がされているか、それに加えて簡単にメッキが剥がれたりしないかという点も気にしなければなりません。
日本では「機能」や「実用性」よりも「見た目の良さ」を重視する傾向が強いため、見た目がピカピカで綺麗で、いかにも値段が高そうな感じがする鏡面仕上げの方が人気があります。
そのため鏡面仕上げというだけで
- カッコイイ!
- 高級そう!
- 周りに自慢できる!
- 見栄が張れる!
と感じてしまい、つい衝動買いしてしまう人も多いです。
見た目はピカピカで綺麗だけど、実際に使ってみるとボルト・ナットがなめてしまったり、簡単にメッキが剥がれたり短期間で錆びが発生してしまう場合があります。
逆に「見た目が渋くて良い!」「他の人と被るのが嫌だ」という理由で梨地仕上げの工具を選ぶ人もいますが、鏡面仕上げにしろ、梨地仕上げにしろ、見た目を良くしてカッコつけるためだけに表面処理されているわけではないため、注意が必要です。
今まで紹介してきた「ボルト・ナットをなめらせない工夫がされているか」「強度や精度は問題ないか」に加えて「メッキの強度・剥がれにくさ」や「錆びにくさ」にも気を配る必要があります。
メガネレンチの選び方
ここまで上質なメガネレンチと、安物のメガネレンチとの違いを紹介しました、今回おすすめしたメガネレンチが全てというわけではなく、他にも色々なメーカーの物が数多く存在します。
しかし実際に店舗に工具を買いに行き、現物を見て上質かどうか見極めるのは難しいと思います。
特に強度面に関しては専用の機械でテストするか、実際に使ってみないと分かりにくいと思います。
ですが「ガタ・遊び・すき間の少なさ」「面接触構造か線接触構造か」「ボルト・ナットの角を避けているか」くらいならば、ある方法で見極められますし、個人的には最低限これら3つの条件はクリアしていて欲しい所存ですので、その見極め方を紹介したいと思います。
見極める方法
「ガタ・遊び・すき間の少なさ」「面接触構造か線接触構造か」「ボルト・ナットの角を避けているか」などを見極める方法は主に2通りあり、1つ目は実に単純な方法で、実際にメガネレンチにボルトかナットをはめてみて確認する方法です。

メガネレンチにボルトかナットを実際にはめてみてキッチリはまるか、左右に動かしてみてガタが大きくないか確認したり、目視で面接触しているか・ボルト・ナットの角に接触していないかどうか確認するのです。
ホームセンターのように工具売り場とは別にボルト・ナットのバラ売りコーナーがあれば、そこにあるボルト・ナットを一時的に借りて確認することができます。
あるいは自分でボルトかナットを持参しても良いです。
2つ目の方法は、六角レンチやヘックスソケットを使って見極める方法です。

六角レンチやヘックスソケットをボルト・ナットの代わりとして使い、メガネレンチにはめてみて確認するのです。
大抵の工具屋さんやホームセンターではメガネレンチだけでなく六角レンチやヘックスソケットも売られていますし、百円ショップですら六角レンチくらいは売られている場所が多いです。

六角レンチやヘックスソケットはKTCやネプロス、ハゼットなど著名なメーカーの物があれば尚良いです。
もし工具が鍵付きショーケースなどに保管された状態で売られている場合は、店員さんに許可を得てからお借りしましょう。
角度・オフセットについて
メガネレンチには色々な角度やオフセットがされている物があり、大きく分けると3種類くらいあります。
- ストレートタイプ
- オフセットタイプ(約10度~45度)
- ディープオフセットタイプ(約60度~75度)
「オフセット」とは、わざと中心をずらすことを言いメガネレンチにおいては、手でメガネレンチを握るためのスペースを確保したり、障害物を避けることを目的とし、角度を付けてわざと中心をずらした構造になっている物になります。
オフセットがゼロですと、【写真2】のようにメガネレンチを握ることができず、指で摘まむ感じになってしまいます。
【写真2】

逆に【写真3】のようにオフセット角が大きいほどメガネレンチを握るスペースが充分に確保されますが、ボルト・ナットにトルクが真直ぐかかりにくくなります。
【写真3】

どのタイプが良いかは完全にケースバイケースであり、一概に言い切れないのですが、一応日本では中間の約10度~45度くらいの「オフセットタイプ」がスタンダードモデルとして使われる傾向があり、その他のストレートタイプとディープオフセットタイプは、やや特殊な部類になるので、初めてメガネレンチの購入を検討していて、具体的に使用するシチュエーションが決まっていない方は「オフセットタイプ」のメガネレンチを購入すると良いです。
【ストレートタイプ】
ネーミングの通り、角度が付いてない真直ぐな物です。

ボルトやナットに対して真直ぐトルクがかかるため、なめらせるリスクが少なく、作業者も力がかけやすい形状であります。
メーカーによってはスペースが狭い場所で使用する場合を想定し、メガネ部12角の部分をわざと左右非対称にして、表裏をひっくり返して角度を変える使い方ができるようになっている物もあります。
同じような理由でハゼットのショートメガネレンチのように左右にオフセットされている物もあります。
【オフセットタイプ】
日本では主にスタンダードモデルとして採用されるタイプになります。

だいたい15度~45度くらいオフセットされている物が多いですが、オフセットのさせ方や角度の付き方にも色々な種類があります。
どの形状が良いかは完全にケースバイケースになってしまうため、拘り過ぎるとキリがないので、初めて購入する際はそこまで深く考えなくても良いと思います。
【ディープオフセットタイプ】
オフセットがさらに深くなったタイプで60度~75度くらいの物が主流となっています。

なんとなく力を入れにくそうな上に使うシーンも少なそうに感じるため、日本ではマイナーなタイプであり、通常のディープオフセットタイプやストレートタイプの物に比べると持っている人は少ないですが、ドイツでは割とメジャーなタイプであります。
そのためディープオフセットタイプのメガネレンチと言えばドイツの工具メーカーであるハゼットやスタビレーの物が昔から有名です。
オフセット量が大きいため感覚としてはメガネレンチよりソケットレンチに近いイメージです。
色々なタイプがあるため初心者の方ですと、どれを買ったら良いか迷うかもしれませんが、日本では「ディープオフセットタイプ」が1番主流であり、2番目に「ストレートタイプ」、3番目に「ディープオフセットタイプ」が使われる傾向にあるため、先ずは「ディープオフセットタイプ」を買うのがおすすめです!
「ストレートタイプ」と「ディープオフセットタイプ」は後々、必要だと感じ始めてからで良いと思います。
ザグリ(座ぐり)加工の有無について
ザグリ(座ぐり)加工とは、ボルトやナットにメガネレンチをはめやすくするためにメガネ部分を斜めに面取り加工する事です。
このサグリ加工が無いとボルト・ナットに対してメガネレンチの向きが少しでも傾いていると、なかなかはまらないという現象が起きてしまいます。
ボルト・ナットの頭がはまる開口部にザグリがあることでメガネレンチとボルト・ナットの付け外しがスムーズになります。
そのため大抵のメガネレンチには、このザグリ加工が施されている物が多いです。
【ザグリ加工されたメガネレンチ】


しかし、このザグリ加工をするとボルト・ナットとメガネレンチが接触する面積が減ってしまうというデメリットもあり、近年ではザグリ加工が浅い物や、あえてザグリ加工を無くし平らな状態にしているメガネレンチも増えてきています。
【ザグリ加工なしのメガネレンチ】


近年のボルト・ナットは、軽量化やコストの削減によって厚みの薄いタイプが出てくるようになりました。
ザグリ加工があると、その分だけ接触面積が減り、更にボルト・ナットの厚さも薄くなると、より一層、接触面積が減ってしまい、ボルト・ナットをなめさせてしまう(角を傷めてしまう)リスクが上がってしまいます。
そのためザグリ加工が有った方が良いのか?それとも無い方が良いのか?
についてもオフセットメガネの時と同様にケースバイケースになってしまいます。
ボルト・ナットをなめらせてしまうと非常に厄介ですので、個人的にはサグリ加工無しの方が良いかなと思っています。
まとめ・感想
メガネレンチについて解説しましたが、いかがだったでしょうか?
メガネレンチの選び方で個人的にやって欲しくないパターンが「見た目」と「値段の安さ」ばかりを重視して選ぶ方法です。
また「有名なメーカー・ブランド」という理由だけで工具選びをしてしまうのも危険です。
これらを基準に選びたくなる気持ちも解るのですが、きちんと品質を見極めて欲しい所存です。
先ほども述べましたが僕の経験上では、友人や仕事仲間・先輩・後輩などで「見た目」と「値段の安さ」ばかりを重視して工具を選んで買っている人は大抵、その工具が使い物にならず、結局は僕の所に工具を借りに来ることが多いです。
こういった考え方で工具を買っている人もいると思います。
このような考え方が必ずしも間違いだとは言いませんが、こういった方々は大抵、工具が使い物にならなかったり、ボルト・ナットをなめらせてしまい、結局は僕の所に工具を借りに来るのです。
また、節約目的で安物のメガネレンチばかりを買い揃えている人も、後に買いなおす羽目になることが多く、余計な出費を負うこととなるケースが多いように感じます。
限られた予算の中で工具を買い揃えなければならない方も多いかと思いますが「見た目」と「値段の安さ」ばかりで工具選びをすることなく、是非とも「品質」にも目を向けてみて下さい!
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