こんにちは、プロキオンです!
先日「世界一貧しい大統領」として有名になった南米ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が政界から引退することを表明しました。
数々の名言やスピーチが印象的なホセ・ムヒカ元大統領、日本でも人気が高まり、最近では映画も上映されています。
ホセ・ムヒ元大統領のスピーチに関してはコチラの記事をご覧ください!
>>>世界一貧しい大統領「ホセ・ムヒカ氏」のスピーチ・感想
日本では不足している「お金」以外の大事な物の価値観というものを誰よりも理解しており、日本人とは真逆な考え方が、かえって日本の人たちに関心を持たれ、話題となった元大統領です。
世界一貧しい大統領、コロナの影響と持病を理由に引退
コロナ感染を避けるため引退
敬意を込めて「世界一貧しい大統領」と呼ばれ、有名となった南米ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領(85歳)が2020年10月20日に上院議員を辞任し、政界から引退することを表明しました。
高齢であることと慢性的な免疫の持病があるといい、また、新型コロナウイルスの感染率が高いことなど健康上の理由で引退を決断しました。
仕事柄、多くの人と接する機会があり、新型コロナウイルスの感染率を上げてしまうと判断したからです。
しかし「一線から退くが、政治活動は続ける」とのことです。
完全に政治活動を辞めてしまうわけではなく「一線から退くが、政治活動は続ける」という辺りが「今の自分にできるベストを尽くそう」という思いが伝わってきますね。
世界一貧しい大統領ホセ・ムヒカ氏の慢性的な免疫の持病とは?
ホセ・ムヒカ元大統領が引退表明した時に言っていた慢性的な免疫の持病とは「リマウチ」という免疫系が自分自身の組織を誤って攻撃してしまい、腫れや痛み、変形などが起こる症状です。
免疫は本来、外部から体内に侵入してきた害のある細菌やウイルスなどを攻撃し、破壊して排除するしくみを持っています。
しかし、この免疫のしくみに異常が生じると誤作動を起こし、誤って自分自身の細胞や組織を攻撃してしまいます。
それにより炎症が起こり、腫れや痛み、変形などの症状が現れてきます。
リマウチの中でも関節に症状が発生する「関節リウマチ」という物が割合的に多く
男性1:女性4
という比率で、女性に起こりやすいとされています。
世界一貧しい大統領ホセ・ムヒカってどんな人?
ホセ・ムヒカ元大統領の暮らし
ムヒカ氏は「ペペ」の愛称で知られ、2010年~2015年に大統領を務めた方です。
収入の大半を財団に寄付し、質素な生活を続けたことなどから「世界で最も貧しい大統領」として知られることとなりました。
日本円で約140万円となる大統領の給料の90%を福祉団体に寄付し、月1000ドル強(約十数万円)という国民の平均月収と、さほど変わらない金額で農場暮らしをしています。
大統領に与えられる邸宅に住むことも拒み、ムヒカ元大統領の資産としては、愛車の1987年製のフォルクスワーゲン・ビートルとトラクター、妻名義の農場、自宅のみで、首都郊外の質素な住居に暮していると言われています。
ホセ・ムヒカ元大統領の愛車「フォルクスワーゲン・ビートル」についてはコチラの記事を参照してみて下さい!
>>>世界一貧しい大統領ホセ・ムヒカ氏の愛車は水色のビートル!!
人生の幸せ、幸福とは何か
「富を求めるよりも人生には大切なことがある」という事を誰よりも理解している元大統領であり、お金を稼ぎ、裕福な環境を得ることばかりに気を取られ、大切な時間を奪われてしまうことの不幸さについてを語り「世界一貧しい大統領」という人柄も含めて日本の人たちから共感を集めて人気となり、関連書籍も飛ぶように売れました。
「我々は発展するために生まれてきたのではありません。幸せになるために、この地球に生まれてきたのです。(賢人たちは)『貧しい人は少ししかものを持っていない人ではなく、もっともっといくらあっても満足しない人のことだ』と。発展は人類の幸せ、愛、子育て、友達をもつこと、そして必要最低限のもので満足するためのものなのです」
引用元:ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ
裕福な生活を送るために住宅や車を買い、そのローンの返済のため必死に働き、どんどん仕事に時間を奪われてしまう不幸さ。
富を得るためには物を売り続けなければならない、そのためには長寿命な製品を作ってはいけない、大量に資源を消費し続けなければならない事の深刻さ。
消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況になってしまう環境で生活している事の不幸さ。
お金を何よりも優先してしまう事の不幸さ。
かといって、世界中の人々が富を得て裕福になることが可能なのか、大量消費を永久的に続けるだけの資源が地球にあるのか?
こういった負のスパイラルに取り囲まれてしまっている日本へ向けて色々なメッセージや名言も残した元大統領でもあります。
日本は不幸な国
日本は犯罪は少ないが自殺が多い
日本は海外と比べると犯罪は少ないかもしれないが、自殺が多い国であると言えます。
それは日本社会が、あまりにも競争社会すぎるからであることが考えられます。
自殺の要因とされる1つとして、職場や学校での対人ストレスが考えられます。
職場を退職してしまう理由の1つとしても「人間関係が良くないから」が上位にランクインすることが多いです。
本来は味方同士のはずの人間が、敵対しながら生活するスタイルになってしまっているのです。
著書「世渡りの道」の一節で「人という字はニ本の棒より成り、短い方が長い方を支えている。両者は支えつ、支えられつして、人という字を構成している」という文章があります。
ドラマの金八先生の有名なシーンでは「人という漢字は人と人が支えあって出来ている」という言い回しで説明していました。
しかし、今の日本の実態は「人という漢字は長い棒が短い棒を潰そうとしている。そして短い棒が潰れると、長い棒を支えていた者がなくなるので、最終的には両者とも倒れてしまう」状態にあります。
日本は兵器を使って戦争をすることは無くなったので一見、平和そうに見えますが、下らない無意味な争い事は今でも日常茶飯事に起きています。
日本は犯罪は少ないが過労死が多い
日本は必死に仕事をするばかりで、ちゃんと生きるための時間がない国です。
長時間労働をしないと生きていけない環境にあるのです。
そして生きるために長時間労働していることが仇となって、逆に命を落とすことになるのです。
ちなみにこの「過労死」という言葉は英語で「Death from overwork」と言うのですが、元々は「karoshi」と言われていました。
働きすぎで死んでしまうなんて現象は世界的にはほとんどなく、「過労死」に該当する単語が英語圏には元々ありませんでした。
そのため
過労死
↓
karoshi
↓
Death from overwork
という流れで新しく英語ができたのです。
それくらい日本は長時間労働や過重労働をしなければならない国なのです。
日本は命よりもお金や時間を優先する傾向にある
最近、日本では「煽り運転」が流行っており、社会問題になっています。
しかも残念な事に日本では「煽り運転する側」よりも「煽られる側の方が悪い」という考え方を持っている人が非常に多いです。
そのため色々と対策をしても、今だに煽り運転が減る事はありません。
Twitterでも、煽り運転の話題が出ると必ずといって良いほど「煽られる方が悪い!」「ちんたら走っていた方が悪い!」というようなツイートをする者が多く、頻繁に炎上しています。
場合によっては「煽られる側」の方が悪いケースもあるのですが、大抵の煽り運転は「速い車が優先!」「急いでいる人が優先!」「遅い車は邪魔だ!」「速く走る者がエライ!」という、人の命よりも時間や仕事を優先するという身勝手な考え方から起こるケースが多いです。
(ただし「ゆっくり走る=安全」とは限らないのも事実です)
日本は人の命よりも「時は金なり」を優先する傾向にあるのです。
まとめ
日本は生きていくにはお金が必須となってしまっているのが現状であり「人の命」と「お金」の価値観が逆転してしまってる状況が多々あります。
「何より命が大切だ」と口にする人は多くいるでしょうが、口で言っている事と実際の行動が矛盾しているケースが多いのが現実です。
死者が出ると色々と騒ぎになり問題になりますが、逆に言うと死者が出なければ大して問題視されることはありません。
「生きるため」に「命を削る」という矛盾した事をしなければならない負のスパイラルに取り囲まれてしまっているのです。
いきなり今の環境を変える事は不可能かもしれませんが、少しずつでも今の環境や考え方を変えていく必要があるのです。