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世界一貧しい大統領ホセ・ムヒカ氏のスピーチの要約

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こんにちは、プロキオンです!

先日「世界一貧しい大統領」として有名になった南米ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が政界から引退することを表明しました。

数々の名言やスピーチが印象的なホセ・ムヒカ元大統領、日本でも好感度が高まり、映画や関連書籍も発売されました。

ホセ・ムヒカ氏の言う「本当の貧しさ」とは何か?

「ハイパー消費が世界を壊している」とはどういうことなのか?

今回の記事では、世界一貧しい大統領ことホセ・ムヒカ氏が有名となるきっかけとなった名スピーチを僕なりに要約してみました。

世界一貧しい大統領によるリオ会議のスピーチ

会場にお越しの政府や代表のみなさま、ありがとうございます。

ここに招待いただいたブラジルとディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。私の前に、ここに立って演説した快きプレゼンテーターのみなさまにも感謝いたします。国を代表する者同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない素直な志をここで表現しているのだと思います。

しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。午後からずっと話されていたことは持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。私たちの本音は何なのでしょうか?現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?

質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。

息するための酸素がどれくらい残るのでしょうか。同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億~80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?可能ですか?それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?

なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?

マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。マーケット経済がマーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。

私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?

このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか?どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?

このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。

現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。

ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。

このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。

石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。

昔の賢明な方々、エピクレオ、セネカやアイマラ民族までこんなことを言っています

「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。

国の代表者としてリオ会議の決議や会合をそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。

根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。

私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、1300万頭の世界でもっとも美味しい牛が私の国にはあります。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。

私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。

そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。

幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくてはなりません。

ありがとうございました。

引用元:ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ

 

世界一貧しい大統領のスピーチ要約

「本当の豊かさ」とは

「豊かな国」「幸福な国」というと、お金があり便利な物や豪華な食べ物が豊富にあり、不自由することなく生きていける環境が揃っている国をイメージすると思います。

日本もよく、これらの条件が揃っていると考えられており「豊かな国」「幸福な国」と言われる傾向にあります。

しかし、ホセ・ムヒカ元大統領は、これを「本当の豊かさ」とは思っていません。

豊かさや幸福を得るために、本当に大切な物が犠牲になっているからです。

また、そのことに気がついていない状態で暮らしていて、本当に大切な物を失いながら生活してしまっているのです。

世の中は「お金」がないと、何も始まらない環境になってしまっています。

お金が実質、世の中で最も大事な物になってしまっているのです。

お金よりも「命」「家族」「友情」の方が大事であると、言葉では表現される事が多いかもしれませんが、実際にお金なしで、これらを維持する事は不可能と言っても過言ではないくらい、お金と本当に大切な物との価値観が逆転してしまっています。

ハイパー消費を続けなければならない事の不幸

我々はハイパー消費を続けなければならない社会で生活しています。

商品を大量に作り、大量に売り、大量に消費してもらい、また大量に作って売って消費してもらうという工程を永遠と繰り返さなければ経済が不況になってしまいます。

この工程を繰り返すためには長寿命な商品を、あえて作らないようにしなければなりません。

もし長寿命な商品を作り、売ってしまえば、しばらくの間は同じ商品を買ってもらえなくなってしまうため、経済が不況になってしまいます。

この「商品を大量に作り、大量に売り、大量に消費してもらう」という事は一見、景気が良いことを意味し、良い事であると思われがちですが、これを言い換えると永遠と必要以上に働き続けなければならないことになります。

人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。

必要以上に働き続けなければならないという行為は、時間をどんどん仕事に奪われていく事を意味します。

ほぼ毎日のように必死に働き続けなければならない負のスパイラルに取り込まれてしまうのです。

自分のため、家族のため、友人のために時間を使う事ができなくなります。

お金を稼ぐために人生の大半を仕事の時間に奪われてしまい気がつけば、あっという間に年を取って老人になってしまい、幸せな人生を送る事ができなくなってしまうのです。

また「商品を大量に作り、大量に売り、大量に消費してもらう」という事は、地球上の限りある資源を急速に大量消費することでもあります。

それ故に人の人生を不幸にしてしまうだけでなく、地球に住めない状況を作り出してしまっていることにもなります。

 

長時間労働を止められない事の不幸

日本は長時間労働を止められない国

世界一貧しい大統領ホセ・ムヒカ氏はスピーチでこう語りました。

根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。

私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、1300万頭の世界でもっとも美味しい牛が私の国にはあります。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。

私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリボ払いやローンを支払わないといけないのです。毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。

そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。

この労働時間に関する問題は日本でも同じことが起きています。

労働基準法なんて関係なしに1日十数時間は働くのが当たり前になっていました。

会社によっては20時間近く、あるいはそれ以上に長時間労働する場合もあります。

そうしなければ経済やライフスタイルが成り立たない環境になってしまっているからです。

そして、長時間労働を当たり前のようにした結果、事故やトラブル、過労死などが他国と比べると異常に多くなり、問題となりました。

また、2013年に東京オリンピックが2020年に開催されることが決定されてから、その効果によって人手不足が深刻化し、より一層、長時間労働をしなければならない環境が強まり、サービス残業をさせる企業も増えました。

働き方改革によって長時間労働が軽減された?

長時間労働やサービス残業をさせるブラック企業が増加したり、人手不足が深刻化したせいか、近年では「働き方革命」なる物が登場した。

働き方を見直して改善し、労働時間を減らしていくことが目的の1つです。

しかし、この対策が必ずしも良い影響を与えているとは限らない事態が起きています。

今まで残業代で高収入を得ていた人は、収入が減ってしまい、生活が苦しくなる事態が発生してしまいました。

また、企業によっては労働時間の削減に成功していると見せかけるために強制的にサービス残業をさせ、あたかも定時で仕事を終えているように見せかけているブラック企業も増えました。

あるいは、違法な長時間労働やサービス残業をさせない代わりにボーナスカットや退職金制度を廃止した企業もあるでしょう。

こういった事が起き、リボ払いやローンがある人や、家族を養わなければならない人にとっては大打撃であり、収入を確保するために副業を始める人も増えてきました。

いずれにしても日本は、長時間労働からは逃れられない負のスパイラルに取り込まれてしまっているので、せっかくの「働き方革命」も、なかなか効果が表れず、結果が出るまでにはしばらく時間がかかりそうです。

新型コロナウイルスの影響による不景気

2020年2月頃から新型コロナウイルスの影響で今までにないくらいの不況に見舞われました。

この影響で仕事は減り、失業した人も出ました。

外出を自粛する人が増えたことで観光地や行楽地も不況になりました。

東京オリンピック効果とは真逆な現象が起きたと言っても良いと思います。

ホセ・ムヒ元大統領のスピーチで語られていた

「ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。」

状態に陥ってしまっています。

結局のところ長時間必死に労働して商品を大量に生産し、大量に生産し、大量に消費し続けなければならない社会になってしまっているのです。

 

まとめ・感想

日本のように長時間労働からは逃れられない国では、本当に大切な物が犠牲になってしまっているのが現状です。

日本は「豊かな国」「幸福な国」と言われる傾向にありますが、実はそうではないのです。

人間関係、家族を持つこと、友達を持つこと、これらを犠牲にすることなく発展していかなければならないのです。

物の見方や価値観を変え、ライフスタイルを変えていく必要があるのです。