こんにちは、プロキオンです!
前回の記事ではマニュアル車のギアチェンジについて解説しましたが、日本の乗用車はオートマ車が主流であるため、マニュアル車の運転に自信がない方や、オートマ限定免許の方も多いかと思います!
このような疑問を持たれている方も多いと思います!
トラックやバスのミッションといえばマニュアルが主流というイメージが多いと思います!
もちろん理由があるからトラックやバスにはオートマ車が少ないわけでありますが、なぜオートマのトラックが少ないのか、トラックのミッションのメリットやデメリットなどを紹介していきたいと思います!
また、最近では「セミオートマ」という物もありますので、普段仕事やプライベートで色々なトラックや積載車などに乗っている僕が解説していきたいと思います!
プログラミング初心者、リモートワーク、ネットサーフィン、動画視聴などにおすすめ!
安くて高性能な再生パソコンを専門に扱っているオンラインショップの紹介!
RAM容量8GB以上のパソコンが最安値な物で29,800円~、平均35,000円くらいで買えます!
トラックにおけるトランスミッションに要求される事
マニュアル車、オートマ車、セミオートマ車のそれぞれのメリットとデメリットを紹介する前に、トラックのトランスミッションに要求される事を解説したいと思います!
トラックのトランスミッションに要求される事がハッキリしていないと、何がメリットで、何がデメリットなのか判断ができないと思います!
コストが安い事
運送会社に限った事ではありますが、会社を運営するにあたってコストは極力安くしたいところです!
特に、あきらかに無駄だと思われるところにコストをかける事は効率的ではありません!
トラックの場合、購入する時に発生するイニシャルコスト、買った後に発生する維持費や燃料代などのランニングコストを控える事が大きな経費削減に繋がります!
壊れにくい事
あまりにも故障や破損が多いと修理代が高くつくだけでなく、仕事にも悪影響が及びます!
特にトラックは遠出が多いので、出先での車両トラブルは対処が厄介ですし、荷物の遅延にもなり、時間的にも金銭的にも色々と損害が出てしまいます!
場合によっては事故にも発展する恐れもあります!
また、乗用車と比べるとトラックは、かなり重量があるので高い耐久性が求められます!
燃費が良い事
先ほど説明したコストにも関わる燃費!
自家用車と比べると走る距離が尋常じゃないので燃料の消費量が控えられれば、かなりのコスト削減に繋がります!
スムーズに加速できる事
レースのように速さを競うわけではないのですが、重量物を積んだ状態で走る高速道路の合流や追い越し車線、峠道の上り坂などはスムーズに加速できないと周りの流れに乗るのが困難です!
特に最近では、ちょっとペースが遅いだけで今流行の「煽り運転」をされる事もあり、燃費の良さが求められつつも、加速のスムーズさも必要なのです!
動力損失が少ない事
「動力損失」という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、エンジンのパワーをいかにロスなくタイヤまで伝えられるかという事です!
どのミッションの自動車でも、エンジンから発生した駆動力は100%全てが無駄なくタイヤまでしっかりと伝わるわけではなく、タイヤまで到達する間に20~30%くらいダウンしてしまいます!
つまり、例えエンジンが200馬力くらいのパワーを発揮していたとしても、タイヤまで伝わるのは140~160馬力くらいなので、動力損失が大きいほど加速性能が悪いことになり、燃料消費量も多くなるため燃費も悪いことになります!
重量が軽い事
トランスミッションの重量が軽ければ車両の重量も軽くなり、その分スムーズに加速できるようになったり燃費を向上させる事ができます!
また、トラックの場合は車両総重量によって法的に積んで良いとされる荷物の量や、運転するのに必要となる免許の種類が変わってきます!
「車両総重量」とは貨物車の場合、車両重量+最大積載量を積んだ状態+最大乗車定員が乗り込んだ状態での総重量になります!
ちなみに法律上の計算式では、乗車定員1人の重量は「55kg」として計算されますので、乗り込むドライバーや同乗者の実際の体重ではありません!
もし2人乗りのトラックなら55kg×2人=110kgになりますし、3人乗りのトラックなら55kg×3人=165kgという扱いになります!
車両重量とは空車状態の車体本体の重量に加え燃料満タン状態、オイル類や冷却水などが規定量入っている状態の車両の重さになります!
なので、トランスミッションが重くなれば車両重量が増えますので、その分、車両総重量も増えます!
この車両総重量が増えていくと法的に積んで良いとされる荷物の量や、運転するのに必要となる免許の種類が変わってきます!
また、車両総重量や最大積載量によっては法的に通行してはいけない道も出てきてしまいます!
免許の種類に関しては取得した時期によって異なるのですが、例えば2017年3月12日以降に取得した普通免許の場合、車両総重量が3.5トン未満、最大積載量2トン未満の自動車が運転できます!
この車両総重量3.5トン未満という縛りを超えてしまうと、準中型車以上の免許が必要になってしまいますので、最近普通免許を取った人は運転できないことになります!
また、荷物の重さも最大2トン未満までOKということですが、あくまでも車両総重量も3.5トン未満にしなければならないので、車両重量と最大乗車定員が多すぎると、その分、法的に積んで良いとされる荷物の量が減ってしまいます!
例えば、車両重量が2000kgで乗車定員10人まで乗って良いトラックを作ってしまうと、1人55kg換算なので、この時点で重量の合計が2550kgになってしまいます!
車両総重量3.5トン(3500kg)未満まで残り950kg未満しかありませんので、法的に積んで良いとされる荷物の量は950kg未満になってしまい、1度に運べる荷物の量が少なくなってしまいます!
なので、なるべく車両重量を軽くし、乗車定員も2~3人までに止めることで、最大積載量2トン未満まで積めるようにした方が良いのです!
マニュアル車のメリット・デメリット
それでは本題に入りたいと思います!
ギアチェンジとクラッチ操作をドライバーが自分で行うのがマニュアル車!
シフトレバーが前後左右に動くようになっていて、ペダルもアクセル・ブレーキ・クラッチペダルの3本あるのが一般的です!
マニュアル車は、トラックやバスに多く使われているイメージですが、操作性が少々困難という事以外は、あまりデメリットがないので、海外では普通に乗用車でもマニュアル車の方が主流であるケースが多いです!
マニュアル車のメリット
- コストが安い
- 耐久性が高い
- 動力損失が少なく、加速性と燃費が良い
- 重量が軽い
- 慣れている人にとっては乗りやすい
- 脳の老化防止になる
部品の価格が最も安いのもマニュアル車で、耐久性も高くて故障やトラブルが少なく燃費も良いので、色々な意味で経費が割安で済みます!
耐久性も高いので高負荷がかかるトラックは勿論、エンジンパワーのあるスポーツカーやレーシングカーにも多く使われます!
③の動力損失ですが、マニュアル車の場合、エンジンからのパワーがタイヤに伝わる間に20%くらいダウンしてしまうのですが、オートマ車と比べると少ない方なので、アクセルを踏んだ時の加速が良く、燃費も良いのです!
また重量も軽いので、そういう意味でも加速性能や燃費が良いことになります!
操作性に関しても、マニュアル車が乗りこなせる人にしてみればオートマより運転しやすいというドライバーもいますし、適度に考えながら体を動かす運転をするので脳の老化防止にもなります!
マニュアル車は色々とメリットが多いので運送会社のトラックや、海外の乗用車などで昔から多く採用されています!
マニュアル車のデメリット
- 慣れていない人にとっては操作が困難
- 操作を誤るとエンストや急発進してしまう
- 免許を取得するための教習所代が高い
- オートマ限定免許では運転できない
シフトレバー、クラッチペダルを扱うことになるため操作が複雑になるため、運転が難しいと感じる人が多いことです!
これは食事をする時に使う「箸」と一緒で、正しい使い方を覚えて慣れてしまえば、そこまで高度な技術が求められるわけではなく、色々と応用が効く便利なアイテムであるので、日本では大抵の人が食事をする際は、箸を使うケースが多いはずです!(勿論、食べるメニューにもよります)
しかし、まだ箸が上手く使えない幼い子供にとっては、箸よりスプーンとフォークの方が扱いやすいと感じるのと同じで、マニュアル車に慣れていない人にとっては運転が困難と感じるのです!
教習所代に関してもオートマ車よりも教える事が多く、教習時間が長いため、料金が少し割高になります!
オートマ車のメリット・デメリット
マニュアル車と違い、クラッチ操作が不要なためクラッチペダルが無く、シフトレバーも前後方向のみの物が多いオートマ車!
操作性が単純で運転しやすいとされているため、日本では乗用車に多く採用されていて、免許も近年ではオートマ限定免許の方が人気が高いです!
オートマ車のメリット
- 操作が単純
- ハンドル操作に集中しやすい
- シフトチェンジ時のラグが少ない
- 免許取得に必要な料金が安い
- 運転技術の差が出にくい
ドライバーによるクラッチ操作とシフトチェンジ操作が不要で、操作が単純なことがオートマを選ぶメリットです!
操作ミスによるエンストもなく、クラッチペダル操作がなく、シフト操作も最小限で済むので、その分ハンドル操作に集中できます!
操作方法が単純なので、運転技術に差が出にくく、教習所の料金も多少、割安です!
また、マニュアル車のようなクラッチ操作による動力の流れの遮断が少ないのでシフトチェンジ時のラグが少ないです!
詳しくは前回の記事でも使わせてもらいました、エンジニアリング教育動画を作製している、人気の英語のYouTubeチャンネル「Learn Engineering」を元に日本語化された動画を参照して下さい!
オートマ車のデメリット
- コストが高い
- 耐久性が低い
- 動力損失が多く、加速性と燃費が悪い
- 重量が重い
- 必ずしも状況に適したギアが選択されるとは限らない
デメリットは部品が多く構造が複雑な分、価格が高いことです!
重量が重い割に耐久性は低く、高負荷がかかるトラックや、過激な走りをするスポーツカーやレーシングカーには不向きです!
なので採用されるケースがあったとしても小型のトラックや、スポーツカーの中でも低出力の車種やグレードの低いものに採用されるケースが多いです!
動力損失もオートマ車の場合、エンジンからのパワーがタイヤに伝わる間に30%くらいダウンしてしまい、マニュアル車と比べると損失が多く加速性と燃費が悪いです!
これは、マニュアル車のような固体のクラッチを使う代わりに「トルクコンバーター」という物が使われていることが大きな原因となっています!
「トルクコンバーター」の中はフルードというオイル(作動油)が入っていて、このフルードという液体の力で駆動の伝達をしています!
液体なのでエンジンとタイヤが直結状態にならないので、色々な衝撃を和らげたりタイヤの回転が停止した時でもエンストさせない役割をしているのですが、同時にエンジンからの駆動力もダイレクトに伝わらなくなってしまうので、それが動力の損失となってしまいます!
⑤の「必ずしも状況に適したギアが選択されるとは限らない」ですが、オートマ車のギアチェンジは「アクセルペダルの踏み込み量」と「車速」を主な判断材料とし、ECM(又はECU)というコンピューターが最適だと思われるギアを自動で算出しているのですが、逆に言うと「アクセルペダルの踏み込み量」と「車速」くらいでしか判断していないので、臨機応変さに欠けます!
一応、この2つ以外にも色々なセンサーからの信号電圧を元に補正を加え、なるべく実用性の高い走りを可能にしようとはしているのですが完璧ではなく、時にはドライバーの意志とは異なる変速をしてしまうことがあります!
昔と比べれば性能が上がってきているとはいえ、構造上トラックに採用するにはデメリットが多いです!
セミオートマ車のメリット・デメリット
セミオートマ車は、オートマ車と同様にクラッチ操作が不要でクラッチペダルが無く、ほとんどオートマ車と同じように運転できるのですが、構造自体はマニュアル車と同じです!
クラッチ操作だけでなく、ギアチェンジも自動で行ってくれる(スポーツカーやレーシングカーに使われるセミオートマの場合は、この限りではありません)ので、オートマ車とマニュアル車の利点ばかりを集めたようなトランスミッションになります!
シフトレバーはオートマ車のような2レンジ・Lレンジ・オーバードライブスイッチが無い事が多く、代わりに「+」と「ー」という「マニュアルモード」が存在し、ゲームセンターにあるレースゲームのシフトレバーみたいに前後に押したり引いたりして、ドライバーの任意のギアに設定して走れるようになっています!
つまりマニュアル車のようにドライバーによるクラッチ操作が無く、シフトレバーの操作も「押す・引く」の前後のみの動きでマニュアル車のようにギアを選択しながら運転する事ができます!
セミオートマ車のメリット
- オートマ車と同様に操作が単純
- ハンドル操作に集中できる
- 動力損失がマニュアル車並みに少なく、加速性と燃費が良い
- 耐久性が高い
- オートマ限定免許でも運転できる
- 運転技術の差が出にくい
ほぼオートマ車並みに操作が単純ですが、構造的にはマニュアルトランスミッションに近いので動力損失が少なく、加速性と燃費も良いです!
耐久性も高く大型車だけでなく、F1やGTマシンなどの競技車両にも採用されています!
マニュアル車の運転に慣れていない人にとっては運転の簡単さ、快適さに慣れると、マニュアルには戻れないというドライバーも多く、特に55歳以下くらいのマニュアル車離れした世代の中では、セミオートマのほうがしっくりくるという人が増えています!
セミオートマ車のデメリット
- コストが高い
- シフトチェンジ時のラグが大きい
マニュアルトランスミッションと比べるとセンサーやアクチュエーターなどの部品が増えるので、イニシャルコストは高いです!
②の「シフトチェンジ時のラグが大きい」ですが、F1やGTマシンに採用されているようなセミオートマは例外なのですが、トラックに使われているセミオートマはシフトチェンジ時のラグが大きく、マニュアル車を乗りこなせる人からしたら非常に乗りづらいです!
オートマ車と同様に、時にドライバーの意志とは異なる変速をしてしまうこともあるのですが、オートマ車の場合はラグが少ないのでそこまで不快に思われないのですが、セミオートマ車のようにラグが大きいと非常に不快です!
シフトチェンジの度にもたつくので、高速道路の合流時やタイトな道を走る時は乗りにくいと感じるドライバーもいます!
僕もセミオートマ車は乗りづらいと感じる派の人間なので、頻繁にマニュアルモードに切り替えて運転しています!
まとめ
今回の記事のおさらい
マニュアル車か、オートマ車か、セミオートマ車か、最近では一概にどれが良いとは言えない事が多くなってきています!
記事中に普段は聞きなれない用語も多かったと思いますので、ここで要点をおさらいしましょう!
- トラックに採用する際、マニュアル車はメリットが多く有利
- 日本ではマニュアル車に乗れない人が多いのでオートマ車かセミオートマ車を増やさざるを得ない
- 最近、増えてきたセミオートマ車も完璧ではない
マニュアル車はメリットが多く、昔から長年に渡って多くのトラックに採用され続けてきました!
特に海外では乗用車にも多く採用されています!
しかし、日本ではマニュアル車を正しく運転できるドライバーが激減してしまっていて、オートマ車やセミオートマ車に頼らなければならなくなってきています!
感 想
トラックに採用するならメリットの多いマニュアル車を選択したいところですが、運送業は激しい人手不足で、マニュアル車の運転に慣れてない日本のドライバーがこの仕事に就きやすくするためには、オートマ車かセミオートマ車のトラックを増やすしかないのも事実です!
日本は昔から燃費の良い車、環境に良い車に乗ろうという意識が低い国ですので、最近エコカーが増えてきたとはいえ、オートマ車からマニュアル車に乗り換える人は少ないと思います!
それ故に今後はオートマ車とセミオートマ車を、より高性能化させていく事が有力かなという気がします!
特に最近では女性でもドライバー職に就きやすくなるよう国も動いてきていますので、オートマ車やセミオートマ車が増えていくかと思います!